「EGM(カジノ等に設置されているスロットマシンなど)はギャンブリング障害のリスクが高い」という通説は見かけに過ぎないらしい

 ギャンブリング障害のリスクは、EGM(electrical gaming machine:カジノ等に設置されているスロットマシーンなど)で特に高いことが指摘され、日本のぱちんこが形態的にはEGMであることから、この知見を用いて、ぱちんこのギャンブリング障害のリスクは高いのではないかと指摘されてきました。
 しかし、↓によれば、EGMのユーザーでギャンブリング障害のリスクが高いのは、競馬などのレースゲームやカジノのテーブルゲームをよく行う人は、EGMも行うので、EGMのギャンブリング障害リスクが高く見えてしまう「見かけ」問題に過ぎないようです。
 EGMは最高レベルのギャンブリング障害リスクがあるとしばしば想定されていますが、この命題を裏付ける信頼できる証拠は明確には見つかりません。そこで↓では、2011年から2020年までの期間で、オーストラリアで行われた主要なギャンブリング障害の地域有病率調査を分析しています。
 結果、すべてのギャンブリング活動の中で、EGMは問題のあるギャンブリングと最も強く関連していました。しかし、それは「見かけ」の問題で、他のギャンブラーと比較して、レーシングゲームやカジノゲームへの参加が不釣り合いに高いレベルであるにもかかわらず、問題のあるギャンブラーはEGMへの定期的または毎週の参加を報告する場合が多く、これが多変量モデルでは、ギャンブリング障害の予測因子としてEGM参加を高く評価する結果になっていたことが明らかになったそうです。
 他の危険なギャンブリングと比較して、EGM参加率が高いために、EGMはギャンブリング障害を高める重要な要素と見あやってしまうというのです。ギャンブリング障害の研究では、要素とギャンブリング障害インデックスとの相関を見るだけのものが多く、こうした見誤りが多数あるとのことです。
 われわれの調査では、これまでのギャンブリング障害調査では主要な要因とされてきた、参加頻度、参加時間、負け額などの影響がぱちんこでは極めて小さい可能性が見出されてします。ぱちんこは他のギャンブリングとの併用が少なく上記の影響が排除された状況での知見となっていますが、EGM自体も単体で取り出せるなら同様なのかもしれません。長いこと警察の管理下で射幸性調整をしてきたぱちんことEGMではだいぶ違いますが。ゲーミングの危険性の指摘でも、EGMリスク論が散見されますが、見直しが必要でしょう。
Do EGMs have a Stronger Association with Problem Gambling than Racing and Casino Table Games? Evidence from a Decade of Australian Prevalence Studies.
Delfabbro P, King DL, Browne M, Dowling NA.
J Gambl Stud. 2020 Apr 18. doi: 10.1007/s10899-020-09950-5. [Epub ahead of print]

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