ぱちんこにおけるギャンブル等依存症とは?

「ギャンブル等依存症対策基本法」では、『「ギャンブル等依存症」とは、ギャンブル等(法律の定めるところにより行われる公営競技、ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為をいう。第七条において同じ。)にのめり込むことにより日常生活又は社会生活に支障が生じている状態をいう。』と定義し、『ギャンブル等依存症がギャンブル等依存症である者等及びその家族の日常生活又は社会生活に支障を生じさせるものであり、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の重大な社会問題を生じさせていることに鑑み、・・・』といった記載がみられます。
 一方で、ギャンブル等依存症対策基本法の成立や、ギャンブル等依存症対策推進基本計画の策定時に、参考とされた久里浜医療センターの日本のギャンブル等依存症は以下の項目にどう反応するレベルだと思いますか?
 パチンコ・パチスロに当てはめれば、どのくらいに相当すると思いますか?


過去1年間、私はパチンコ・パチスロのことがいつも気になって仕方がなかった。
  あてはまらない、どちらかといえばあてはまらない、どちらかといえばあてはまる、あてはまる
過去1年間、パチンコ・パチスロは、ストレスから逃れるために私にとってなくてはならないものだった。
  あてはまらない、どちらかといえばあてはまらない、どちらかといえばあてはまる、あてはまる
過去1年間、私はもっとお金を得たいと思うあまりに、パチンコ・パチスロに使う金額が増えてきた。
  あてはまらない、どちらかといえばあてはまらない、どちらかといえばあてはまる、あてはまる
過去1年間、パチンコ・パチスロを打つ回数を減らしたら、私は気持ちが落ち着かなくなった。
  まったくない、ほとんどない、時々ある、よくある
過去1年間、私自身のパチンコ・パチスロによる負けや借金を隠すために、うそをついたことがあった。
  まったくない、ほとんどない、時々ある、よくある
過去1年間、私はパチンコ・パチスロを打つことによって、経済的な困難におちいり、お金を出してくれるように頼ったことがあった。
  まったくない、ほとんどない、時々ある、よくある

 ギャンブル等依存症対策基本法の記載や、家族会、GAなどがいうところのギャンブル等依存症を知っていれば、上記の項目では、「あてはまる」「よくある」ばかりになると思うでしょう。もしくは「どちらかといえばあてはまる」「時々ある」よりは上だと思うでしょう。
 しかし、実際は、上記の項目で「どちかかといえばあてはまらない」「ほとんどない」が3項目、「どちらかといえばあてはまる」「時々ある」が三項目で、ギャンブル等依存症の疑いとなります。
 実は上記はPPDS(パチンコパチスロ遊技障害尺度)の短縮版で、左から1点、2点、3点、4点と割り振って、計15点がDSM-5(精神しかkンにおける診断と統計のマニュアル第5版)でのカットオフ値相当になります。
 つまり、ギャンブル等依存症70万人(ぱちんこ関連40万人)というときの、ぱちんこ関連のギャンブル等依存症のイメージは上記項目で15点以上を指します。

 このイメージのずれはかなり大きく、たとえば、上記項目で15点以上の人、つまりギャンブル等依存症が疑われる人の全国調査で示されるギャンブルによる借金の中央値は10万円未満です。しかし、久里浜医療センターが文科省の指導参考資料などで紹介している、同センターで治療を受ける人の借金総額中央値400万円は、全国調査では一人も出てきません(この全国調査の一人は約1.9万人に相当します)。指導参考資料で同時に示されているギャンブル依存症を考える会提供の経験談レベルの人と、久里浜調査の疑い数はまったく一致しないのです。
 考える会やGAがいうギャンブル等依存症は、いわゆる強迫的ギャンブリングです。「強迫的ギャンブルとは病気である。進行性のものであり、完治することはないが、進行をとめることはできる」と定義される状態です。しかし、久里浜調査レベルのギャンブル等依存症は、6-8割程度は自己回復するし、進行性というより流動的です。「強迫的ギャンブラーというのは、ギャンブルが原因で生活のいたるところで問題を起こしもめごとが絶えない人のこと」(http://www.gajapan.jp/jicab-compulsive.html)は2万人以下と推定されます。
 ですから、考える会やGAがギャンブル等依存症を語るとき、強迫的ギャンブリングとして語るのは致し方ないですが、それと全国調査で示されるギャンブル等依存症とは別物だと考えたほうがいいくらいの乖離があります。またギャンブル等依存症対策基本法のいうギャンブル等依存症も、あいまいな記載ではありますが、強迫的ギャンブリングにずいぶん引っ張られています。
 実際にギャンブル等依存症予防対策を行っていくのならば、ギャンブル等依存症を強迫的ギャンブリングとしてとらえたのでは間違います。上記項目にあの程度に答える人への対策をきちんと考えていくことが、対策の第一歩であり、主流です。

"ぱちんこにおけるギャンブル等依存症とは?" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。