ゲーム障害は種々の精神症状の原因か、結果か、はたまた・・・・

 ゲーム障害でもギャンブル障害でも、行動嗜癖が精神症状を引き起こすかのような説明が、マスコミ等では流されやすい。たとえばひきこもりの原因がゲームであるとか、精神症状ではないが犯罪の原因がギャンブルであるかのような説明だ。
 しかし、こうした関係、すなわち、ゲームやギャンブルが精神症状等を引き起こすのか、その逆なのか、あるいは共通する別因子が想定されるのかは、ある瞬間の横断的データでは検証できず、縦断的な、つまり被験者を数回測定したパネル調査で検討しなくてはならない。近年、そうした研究が増えてきて、従来自助団体などで後ろ向き観察的に流通していた言説が覆されつつある。
 ↓もそうした研究の一つ。インターネットゲーム障害(IGD)が他の精神障害と併存しているように見えることが多数示されているが、この併存疾患が(a)相互関係または(b)共通の根本的な原因の結果であるかを検討。ノルウェーの子供たちのコミュニティサンプル(n = 702)に、インターネットゲーム障害インタビュー(IGDI)。10、12、および14歳でDSM-5で定義されたIGD症状を評価。児童青年精神医学的評価(CAPA)は、うつ病、不安神経症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、反抗挑戦性障害(ODD)、および行為障害(CD)の症状を同じ時点で評価。
 ランダムインターセプトクロスラグパネルモデル(RI-CLPM)でIGD症状と精神病理症状との関連は明らかにならなかった。逆に、 10歳と12歳でIGD症状が増加すると、2年後に不安症状の減少が観察された。ゲーム障害⇒精神症状、という関連はなく、共通する遺伝要因などが、ゲーム障害も精神症状も引き起こしているのではないかというのが研究者の意見。
 ギャンブル障害のパネル調査では、不安、衝動性、非誠実性、非協調性、認知の歪みなどが、ギャンブル障害リスクの因果的増悪要因となる縦断研究があるが、RI-CLPMでの再検討が必要かもしれない。
The co-occurrence between symptoms of internet gaming disorder and psychiatric disorders in childhood and adolescence: prospective relations or common causes?
Hygen BW, et al. J Child Psychol Psychiatry. 2020. PMID: 32623728

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