25分のθリズム調整で高齢者のワーキングメモリが改善

 数字や言葉の逆唱で測定されうるワーキングメモリ(作業記憶:作業のための短期記憶)の力は、加齢に伴って低下しやすいことが知られていますが、↓によれば、60-76歳を対象に25分間のθリズム調整のための刺激を行ったところ、ワーキングメモリの成績が改善したそうです。
 ワーキングメモリは、前頭前野と側頭野におけるガンマリズムとシータリズムの二つの脳波パターンが関係していると考えられている。また、前頭前野と側頭野のシータリズムの同期も関連しており、前頭前野と側頭野の間の長距離の相互作用を促進する可能性が指摘されている。
 ↓ではまず、42人の若年成人(20~29歳)と42人の高齢者(60~76歳)に業記憶課題を行ってもらい、その成績を評価した。結果、高齢者は若年成人より作業記憶課題の遂行が遅く、正確性も劣っていた。また、若年成人の方が、作業記憶課題の遂行中に左側頭皮質におけるシータリズムとガンマリズムの相互作用が増強されており、さらに前頭前野と側頭野のシータリズムの同期性も上昇していた。
 そして25分の刺激の結果、高齢者の作業記憶課題の正確性が改善、若年成人並みになった。この効果は50分間持続した。課題の成績向上と、左側頭皮質におけるシータリズムとガンマリズムの相互作用の増強が相関しており、左側頭皮質と前頭前皮質のシータ脳波の同期性も上昇していたそう。
 こういう電気的刺激で高齢者のワーキングメモリが改善する可能性があるし、この電気刺激と同様な刺激が、たとえば何らかの課題遂行で起きるとすれば、その課題は認知機能改善に少なくとも短期的には役立つことになる。これまでの知見からはその候補として、運動、脳トレがあげられる。
Working memory revived in older adults by synchronizing rhythmic brain circuits.
Reinhart RMG, Nguyen JA.
Nat Neurosci. 2019 Apr 8. doi: 10.1038/s41593-019-0371-x.

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