ギャンブリング障害(ギャンブル等依存症)では欠かせない質問

 Lori Rugle(コネチカット州メンタルヘルス・アディクション対策部問題ギャンブル回復支援室長:2014年当時)によれば、ギャンブリング障害(ギャンブル等依存症)の生物学的因子を明らかにする質問として、以下の子ども時代についての質問が欠かせないという。

・学校の特殊学級に割り当てられたことがありますか?
・あなたは、「劣等生だ」といわれたことがありますか? あるいは、あなたの知能ならば、もっと良い成績がとれるはずだ、と言われたことがありますか?
・学校で集中力を保つのが難しいことはありましたか?
・子どものときに、集中力を保つのに役立つ、あるいは過活動を抑えるのに役立つ薬を処方されたことがありましたか?
・子どものとき、頻繁にトラブルを起こしましたか? それは、どのようなトラブルでしたか?
・あなたは、クラスの道化役(人気者)でしたか?
・学校でじっと座っていることが出来ましたか?
・読書やスペル(つづり)の学習が困難でしたか?

 発達の問題に興味のある人なら、ピンとくる質問だが、これらはADHD(注意欠如多動症)、学習障害、素行症的な要素についての質問でもある。Lori Rugleによれば、この質問が重要なのは、ギャンブリング問題の発生に対する遺伝的脆弱性があること(Comingsら 2001、Ibanezら 2001、Eisenら 1997、Slutskeら 2010)、問題ギャンブラーには前頭葉などの問題があり、それが実行機能の障害と結びついている可能性が示唆されているから(Potenzaら 2001、Goudriaanら 2004、Rugleら 1933)だという。これらの生物学的な脆弱性が、行動阻害と衝動性、問題解決と判断にかかわる障害を招き、調整機能に影響を与えているというわけだ。
 ギャンブリングで脳が・・・というより、脳の元来の脆弱性がギャンブリングでの問題を生みやすくしており、そのことと発達の問題、あるいは発達の問題に連なりうる問題がかかわっているというわけだ。また、ギャンブリングの問題を抱えている人の中に、子どものときに虐待やネグレクトを経験したものが多いので(Hodginsら 2010、Kauschら 2006、Pettyら 2005)、この確認も重要だという。河本によれば日本でもこの問題が多く散見されるという。
 なお、こうした子ども時代についてや発達問題を含むアセスメントの大切さについて、日本のギャンブリング障害回復支援の先駆け、ワンデーポートでは、12ステップが合わない人の発見などを通して、古くから言及している。わたしが回復支援団体の中でワンデーポートが先進的だと考える理由の一つはこれ。

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