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<<   作成日時 : 2018/08/14 15:19   >>

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ギャンブル障害(ギャンブル症)と性格
 ギャンブル障害と性格の関連はしばしば報告されている。古典的なものではブラジンスキーが2002年に提唱した3パスウェイモデルがあり、ギャンブル障害は単純嗜癖型、衝動型(ADHD的背景)、不安型(神経症傾向、自閉傾向など)のサブタイプに分けられるとしている。この表現はDSM-5でもギャンブル障害の特徴の記述に用いられている。
Development and validation of the Gambling Pathways Questionnaire (GPQ).
Nower L, Blaszczynski A.
Psychol Addict Behav. 2017 Feb;31(1):95-109.
 性格研究では標準的なビッグファイブ(NEO-PI-Rなど)を用いた研究もある。DSM-5でギャンブル障害が嗜癖障害のカテゴリーとなったとき、ICD11でもそうすべきという主張が行われた論文では、515人の治療を受けているギャンブル障害と269人のマッチドコントロール(性、年齢などを一致させた健常な対照群)の比較が行われている。ギャンブル障害で神経症傾向が高く、協調性、誠実性が低かったという。
 なおこの論文では、ギャンブル障害のうち1%が強迫性障害に過ぎず、GAが定義する強迫的ギャンブラーはギャンブル障害像として適切ではなく、逆に88%が物質使用障害を併存、またギャンブルを始めた年齢が若いほどギャンブル障害の深刻度が深かく、ギャンブル障害の一等親では、対照群の一等親に比べ、アルコール使用障害(27.0% vs. 7.4%)、ギャンブル障害(8.3% vs. 0.7%)、自殺企図(2.7% vs. 0.4%)と多かったことから、若年開始の脆弱性、遺伝性がギャンブル障害でもアルコール使用障害同様にあるので、ICD11でもギャンブル障害は嗜癖障害(behavioral addiction)に入れるのが適切と主張している。
Comorbidity, family history and personality traits in pathological gamblers compared with healthy controls.
Mann K, Lemenager T, Zois E, Hoffmann S, Nakovics H, Beutel M, Vogelgesang M, Wölfling K, Kiefer F, Fauth-Bühler M.
Eur Psychiatry. 2017 May;42:120-128. doi: 10.1016/j.eurpsy.2016.12.002. Epub 2016 Dec 23.
 併存障害のない40人のギャンブル障害と160人の対照群について、機械学習を用いて性格特性(NEO-PI-R)で判別を試みた研究では、AUCが77.3%と微妙だが、神経症傾向はギャンブル障害で高く、経験への開放性、誠実性は低かったそう。外向性、協調性に差はなかったという。
Personality biomarkers of pathological gambling: A machine learning study.
Cerasa A, Lofaro D, Cavedini P, Martino I, Bruni A, Sarica A, Mauro D, Merante G, Rossomanno I, Rizzuto M, Palmacci A, Aquino B, De Fazio P, Perna GR, Vanni E, Olivadese G, Conforti D, Arabia G, Quattrone A.
J Neurosci Methods. 2018 Jan 15;294:7-14. doi: 10.1016/j.jneumeth.2017.10.023. Epub 2017 Nov 1.
 216名の嗜癖障害と78名マッチドコントロール(性、年齢などを一致させた健常な対照群)との比較研究だと、嗜癖障害全体では衝動性と神経症傾向(不安など)が高いが、アルコール使用障害では外向性と攻撃性、経験への開放性が低く、薬物使用障害と強迫的な性行動を行う人では、協調性と誠実さが乏しい。ギャンブル障害では対照群と差がなかったそう。
Personality profiles of substance and behavioral addictions.
Zilberman N, Yadid G, Efrati Y, Neumark Y, Rassovsky Y.
Addict Behav. 2018 Jul;82:174-181.
 したがって「責任感が強い人の方がかえってハマりやすいとの指摘をする人もいます。」などという指摘は個人の感想に過ぎず、責任感、まじめさを下位項目とする誠実性は、ギャンブル障害では低いというのが一般的結論。ただしこれは相関研究であり、誠実性の低さが原因になるといった因果論ではない。また、ギャンブル障害と衝動性の高さの関連は一貫して報告されており、ギャンブル障害は性格と関係ない、ことはない。
 ビッグファイブ以外の性格との関連もよく指摘されている。
 150人の問題、病的ギャンブラーについて、性格傾向とギャンブリングの特徴と併存障害(アルコール使用障害を含む)の関連を調べた研究では、アルコール使用障害を併存する人(40.7%)は、自己制御感、幸福感、達成感、伝統主義性、損害回避傾向が低く、疎外感が強かったそう。また、アルコール使用障害が併存するとギャンブル障害が深刻で、過去一年のギャンブリング回数が多く、報酬の時間割引が大きく、薬物に頼りがちで、反社会的パーソナリティ障害も併存したとか。また治療抵抗性も高かったそうで、ギャンブル問題をギャンブル単独で扱う、扱おうとすることは大変危険。
Personality traits of problem gamblers with and without alcohol dependence.
Lister JJ, Milosevic A, Ledgerwood DM.
Addict Behav. 2015 Aug;47:48-54.
 ちょっと面白いのは、大学生218人を対象とした、フェイスブック嗜癖、ビデオゲーム嗜癖、インターネット嗜癖、エクササイズ嗜癖、スマホ嗜癖、強迫的買い物嗜癖、勉強嗜癖とビッグファイブの関連研究で、性格で嗜癖障害の6〜17%が説明されるという。
以下関連を列記すると、
神経症傾向はインターネット、エクササイズ、買い物、勉強と正に関連。
外向性はフェイスブック、エクササイズ、スマホ、買い物と正に関連。
経験への開放性はフェイスブック、スマホと負に関連。
協調性はインターネット、エクササイズ、スマホ、買い物と負に関連。
誠実さはフェイスブック、ビデオゲーム、インターネット、買い物と負に関連し、エクササイズ、勉強と正に関連。
The relationships between behavioral addictions and the five-factor model of personality.
Andreassen CS, Griffiths MD, Gjertsen SR, Krossbakken E, Kvam S, Pallesen S.
J Behav Addict. 2013 Jun;2(2):90-9.
 ちなみに、いま、パチンコでのギャンブル障害と性格の関連について、因果的な研究が進んでいる。パチンコでは衝動性の関与は不安より小さい??単純嗜癖は重症度が低い???


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内 容 ニックネーム/日時
初めまして。面白いブログですね。よろしくお願いします。

http://blog.livedoor.jp/az5555/
az5555
2018/08/15 16:56

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