ギャンブル障害対策メモ

「一般入賞口に玉が入らないようにし、スタートチャッカーへ入りやすくして、確率ゲームに偏らせることで射幸性を高めている」という話が出ています。それは法や規則の体系上、是正すべきことに違いないのですが、このこと、あるいは確率ゲームに偏らせることが、直ちに依存リスクを高めることに結びつくかどうかは、証拠がなく、いまだ不明であることは押さえておきましょう。
 そもそも、なんらかの原因論を明らかにするには、同じ対象者に依存リスクを調べる調査を繰り返し、その変動を説明しうる因子を明らかにする必要がありますが、そのような調査はいまだ行われていません。
かろうじて間欠強化、つまり、単に報酬を与えるより確率的に報酬を与えたほうが行動強化が起こりやすい、ドーパミン量が増すといった証拠がある程度ですから、いいかげん、時代劇の博打が示す危険性レベルでの議論を脱し、データをきちんととり、それに基づく依存リスクについての議論によって、風適法や規則のありかたの見直しをしていくべきでしょう。
ここで確認すべきことのひとつは、「確率ゲームに偏らせること」と「負けリスクが高まること」と「依存リスクが高まること」の関係です。「確率ゲームに偏らせること」⇒「依存リスクが高まること」なのか、「負けリスクが高まること」⇒「依存リスクが高まること」なのか、あるいは別の因子(たとえば収入、資質、他の疾患)の寄与率が高いのかです。
もし、下の診断基準で重症を示す(8)(9)が重要なら、「負けリスクが高まること」⇒「依存リスクが高まること」、の関係が重要で、ならば、「確率ゲームに偏らせること」よりもコントロールすべきは台粗利、時間粗利(一時間当たりのユーザーの負け額平均)×遊技時間。またその可処分所得に対する比率が問題なら、「時間粗利×遊技時間」÷「可処分所得」、のコントロールがだいじで、ひとつの解決策は、パチスロ的管理と自己申告プログラムの組み合わせ。結局、設定付封入式に加え、会員カードを使わないと遊技できない仕組みにして、消費額÷収入などと依存リスクの関係を示した上で、自己申告プログラムの申請義務付け&定期的な依存リスクチェック、こうしておけばデータの収集もでき随時、依存リスクコントロールのターゲットにすべき因子が調べやすくなりもする。
ま、世界最強のシステムにはなるわな。

ギャンブル障害
臨床的に意味のある機能障害または苦痛を引き起こすに至る持続的かつ反復性の問題賭博行為で、その人が過去12ヶ月間に以下の四つ(またはそれ以上)を示している。
(篠原注:「臨床的に意味のある機能障害または苦痛を引き起こすに至る持続的かつ反復性の問題賭博行為」であることが診断上重要で、単に下の項目に○がつく事だけを重視すると、障害リスクを過剰に評価することになってしまう。また12ヶ月限定もだいじ)
1) 興奮を得たいがために、掛け金の額を増やして賭博をする要求
2) 賭博をするのを中断したり、または中止したりすると落ち着きがなくなる、またはいらだつ
3) 賭博をするのを制限する、減らす、または中止するなどの努力を繰り返し成功しなかったことがある
4) しばしば賭博に心を奪われている(例:過去の賭博体験を再体験すること、ハンディをつけること、または次の賭けの計画を立てること、賭博をするための金銭を得る方法を考えること、を絶えず考えている)
5) 苦痛の気分(例:無気力、罪悪感、不安、抑うつ)のときに、賭博をすることが多い
6) 賭博で金をすった後、別の日にそれを取り戻しにかえってくることが多い(失った金を’深追い‘する)
7) 賭博へののめりこみを隠すために、嘘をつく
8) 賭博のために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさらし、または失ったことがある
9) 賭博によって引き起こされた絶望的な経済状況を免れるために、他人に金を出してくれるように頼む
マスコミで扱われる「いわゆる依存」は8)9)が繰り返される場合で「重症」。ここはある程度客観的に評価できるが、1)~6)はアンケートで聞かれると内省性が高ければ○がついてしまう。そのとき重要になるのが、「臨床的に意味のある機能障害または苦痛」があるかどうか。ここが無視されると過剰な数字が報告されてしまう。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック