ギャンブル行為をギャンブリング(D)、ギャンブリング(C)、ギャンブリング(NC)と区分けしよう

 カジノはギャンブルでギャンブルは違法だ、だから反対、などと言われると混乱してしまう。精神医学上のギャンブリング(後に述べるがギャンブルという言葉はあまりつかわず、ギャンブリング:ギャンブルをする行為を使う)と刑法上の賭博がごっちゃになり、かつ刑法上の賭博も違法性が阻却される場合があるからだ。
 ギャンブルを賭博と訳し、「ギャンブル」=「偶然の勝敗により財物・財産上の利益の得喪を争うこと」ならば、刑法185条にのっとって違法だが(後に述べるが違法性が阻却される場合が多々ある)、たとえばDSM5(精神障がいの診断と統計のマニュアル5版)中のGambling disorder(ギャンブル行為障がい:いわゆるギャンブル依存)ではGambling(ギャンブルをする行為、ギャンブルをすること)を次のように説明しており、何かを得るために、別の何かを危険にさらす行為全般がギャンブル行為なので、必ずしも刑法上の賭博を指すわけではない。

 Gambling involves risking something of value in the hopes of obtaining something of greater value.
 ギャンブル行為とはより大きな何らかの価値を求めて、価値ある何かを危険にさらすことを意味する。

 なのでDSM5で定義されるギャンブリング(ギャンブル行為)は(D)をつけ、ギャンブリング(D)、刑法上の賭博、つまり、「偶然の勝敗により財物・財産上の利益の得喪を争う行為」はギャンブリング(C)(Cは刑法のcriminal)として区別したい。
 人生をかけた商売はギャンブリング(D)だが、ギャンブリング(C)ではない。ひたすら買い物を続けて人生を危険にさらしたり、たばこから得られる安堵を求めて健康を危険にさらすのはギャンブリング(D)に近いが、ギャンブリング(C)とはかけ離れているわけだ。
 また以下によって違法性が阻却される行為は、ギャンブリング(NC)(not criminal)とさらに区分けしておきたい。違法ではなく合法だからだ。金融商品取引法(デリバティブ取引をする)、商品先物取引法(商品先物取引をする)、保険法(保険契約をする)、商法(海上保険契約をする)、競馬法(競馬をする)、自転車競技法(競輪をする)、モーターボート競走法(競艇をする)、小型自動車競走法(オートレースをする)、当せん金付証票法(宝くじを買う)、スポーツ振興投票の実施等に関する法律(スポーツ振興くじを買う)、不当景品類及び不当表示防止法(懸賞金をねらう)、これらの( )内の行為はギャンブリング(NC)でギャンブリング(D)なわけだ。
 同様に、現金以外をかける場合も、不当景品類及び不当表示防止法(懸賞・景品をねらう)、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(パチンコ・射的・輪投げをする)、お年玉付郵便葉書等に関する法律(お年玉付郵便はがき、夏のおたより郵便葉書を買ってあたりを目指す)の( )内行為はギャンブリング(NC)でギャンブリング(D)なので、デリバティブからお年玉年賀はがきまで、gambling disorder の対象となりうるわけだ。
 なお、DSMでは以前からGambleという言葉は使わず、Gambligという言葉を使っている。人でもないGambleが病的というのはおかしな話で、Gamblingという行為が病的だからだ。当たり前だが、精神医学の面からギャンブルが悪いなどと言えるわけもなく、ギャンブルをする行為が病的だったり、障がい的だったりすると精神医学的に問題となるのだ。Gambling disorder(ギャンブル行為障がい)という言葉はその点をはっきりさせた言葉だと見ることもできる。

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