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zoom RSS スポーツくじのギャンブル障害リスクファクター、ぱちんこのギャンブル障害リスクファクター

<<   作成日時 : 2018/04/02 22:16   >>

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 IR法案にからんで、カジノの入場回数制限、入場料徴取などがギャンブル障害(ギャンブル等依存症)対策として提案されている。一方で、ギャンブル障害のリスクファクターについての具体的な解析は、若者がリスク要因であるといった一般論や、Gotoらの遊技場へのアクセスが容易だとリスクが上昇するといった研究が紹介される程度で、あまり紹介されていない。
 ↓はスポーツくじを対象としたリスクファクターの分析。639人のオーストラリアのスポーツくじユーザーの調査。若者、男性、独身、高学歴、正社員かフルタイムの学生がリスクファクターで、問題ギャンブリングのリスクは、スポーツくじの参加回数、使用額が増すほど、ギャンブル種が多いほど、また、衝動的なほど高かったそう。また、メディア広告や重要な他者から影響を受けた規範意識がリスクとかかわったそう。
Demographic, Behavioural and Normative Risk Factors for Gambling Problems Amongst Sports Bettors.
Hing N, Russell AM, Vitartas P, Lamont M.
J Gambl Stud. 2016 Jun;32(2):625-41. doi: 10.1007/s10899-015-9571-9.
 一方、ここで注意すべきは、ギャンブル障害のリスクといっても、低リスク、中程度のリスク、問題レベルのリスクで、リスク構造が異なりうることだ。つまり、ギャンブラーを対象として、問題ギャンブラーとそうでないものを比較するのか、中程度以上とその他を比較するのか、低リスク以上とその他を比較するのかで、統計的な結果が異なってくる可能性があることだ。さらに言えば、そもそもギャンブルをするかしないかにかかわる要因も、これらとは異なっている可能性がある。たとえば日本のぱちんこでは、ぱちんこをするかしないかの要因には「男性であること」がかかわるが、同じパチンコユーザー内で比較すると、性の問題は消失する。
 ↓は同じ研究者らが、同じくスポーツくじで、あくまでスポーツくじユーザー内での比較だが、低リスク、中程度のリスク、問題ギャンブラーのリスクを区分けして議論しようとしたもの。そもそもこういうリスク解析の混乱が生じるのは統計的検定力の弱さに由来するため、統計的なパワーを高めるべく被験者は1813人に増やしている。
 結果、消費額、オペレーターの数、どういうプロモーションを使っているか、それと衝動性は、すべてのリスクにかかわっていたそう。一方で、規範意識や年齢、性、スポーツくじの種類は、高いリスクにのみかかわっていたそう。ここで著者らはこの結果を受け、これまでのリスクファクターはどのギャンブルリスクにもある程度適用可能であろうとしているが、出来れば、リスクを区分けた方がいいと指摘している。
Gambling Risk Groups are Not All the Same: Risk Factors Amongst Sports Bettors.
Russell AMT, Hing N, Li E, Vitartas P.
J Gambl Stud. 2018 Mar 20. doi: 10.1007/s10899-018-9765-z.

 ここで日本のぱちんこでの事情を、そもそもぱちんこをするリスク?、あるいはぱちんこユーザーの中でギャンブル障害が生じるリスクに区分けて、あくまで二値で議論すると(パチンコ・パチスロ遊技障害全国調査調査報告書:2018にもとづく)、
性別はぱちんこする要因にはなるが、ギャンブル障害のうたがい要因にはならない。
年齢は40,50代がぱちんこをする要因になるが、うたがい要因にはならない。
都市規模はいずれも無関係。
ぱちんこをする人の方が結婚しているが、うたがいとは無関係。
離婚経験はぱちんこをすることにも、うたがいにもかかわる。
学歴はぱちんこをする方が高いが、うたがいとは無関係。
正社員が多いが、うたがいとは無関係。
二次産業が多いが、うたがいとは無関係。
遊興費はいずれも多い。
ぱちんこをする人の方が世帯収入は多いが、うたがいとは無関係。個人収入も同様。
世帯の預貯金は、ぱちんこをする人で少なく、うたがいともかかわる。
ギャンブルによる借金はいずれにもかかわる。
健康状態はぱちんこするひとでよくないが、うたがいとは関係ない。
競馬、競輪、くじ、など他のギャンブルをすることと、ぱちんこをすることはかかわるが、うたがいとは無関係。
ストレス解消行動として、寝る、食事、運動、外出などはぱちんこをする人で少ないが、うたがいとは関係ない。
一方で、ストレス解消行動として家族と一緒に過ごすことは、ぱちんこをすること、うたがいともにかかわる。
おもしろいのは、ギャンブル障害のリスクファクターとしてしばしば指摘される、喫煙、飲酒は、ぱちんこをすることとかかわるが、ギャンブル障害のうたがいの発生とは無関係。
遊技状況でうたがいとかかわるのは(遊技状況なのでぱちんこをしない人はいない)、
最高使用金額、ギャンブル等で問題があった人が周りにいる、上限を決める、上限でやめる、自由時間以外しない、時間が来たら止める、月の回数、一回の遊技時間、月の負け額、パチスロをする、遊技時間が増えた、使う金額が増えた、が、うたがいが生じることとかかわっていた。

 これらをまとめ重回帰で分析すると(ステップワイズ)、いくつかの項目が除去され、

パチンコパチスロ遊技障害尺度得点(61点以上でうたがい)=39.3+(月負け額:万円)+0.6(月回数)-(健全ギャンブリング得点:0〜8点)+(日平均遊技時間)+3.6(世帯預貯金:なし=1、あり=0)+0.4(最大負け額:万円)-2.3(問題のあった人:いない=1、いる=0)‐3.5(高貸比率:0〜1)‐2.0(家族と過ごさない=0、すごす=1)+3.5(遊技金額の変化:増えた=1、増えていない=0)

となった。もちろんこの式はぱちんこ限定。たとえばカジノに適用すれば、昔100万負けたことがあるだけで、ギャンブル障害のうたがいとなってしまう。
 いずれにせよ、このように日本では、ぱちんこをする要因と、ぱちんこをする人のうちギャンブル障害のうたがいが生じる要因は異なっており、その点注意を要する。また、マスコミで紹介されるような重度のギャンブル障害は、背景要因が多様でこの議論から外れている可能性が高いので、これまた注意を要する。。。。とかいったが、この国では、政治でもマスコミでも、こういう数字はどうでもよく、雰囲気だけが重要のようなので、まあ、どうでもいいのかも知らんが(なげやり)。



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