ギャンブルを自分では止められないという自覚は、ギャンブル障害の増悪因子かもしれない

 認知の歪みには、Positive Gambling Expectancy(GE:ギャンブリングをすることで自分に良い影響があるという認識)、Inability to Stop gambling(IS:ギャンブリング行動を自分で止めることが出来ないという認識)、Illusory Control(IC:ジンクスに従うことなどによって、ギャンブリングの結果をコントロールしようとする傾向)、Predictive Control (PC:ギャンブリングの勝敗を予測できると考える傾向)、 Interpretive Bias(IB:ギャンブリングの勝ちの原因は自分に、負けの原因は運や偶然に求める傾向)の 5 つの下位尺度、と勝ちの効果の過大視(勝てばすべて丸く収まる、特にカジノ的大勝ちで)、問題認識の歪み(起きている問題を軽く見る傾向)、があります。
 このうち強くかかわることがよく指摘されているのはISで、GA(http://www.gajapan.jp/)の12ステップで強調される「ギャンブリングを自分で止めることができないという自覚」は、ここでは「認知の歪み」としてとらえられています。GAの12ステップ的自覚は強迫的ギャンブリングに限局すべきで、軽度の疑いではむしろ逆効果、自己回復力を奪いうるのかもしれません。
 またワンデーポートの中村さんたちの見解に沿えば、強迫的ギャンブリングでの効果も限局的ということなのかもしれません。とくにぱちんこでは。
 
 まとめ:認知の歪み研究では、「ギャンブリングを自分で止めることが出来ないという認識」は認知の歪みであり、その強さとギャンブル障害が一貫して関連(Raylu & Oei, 2004; Tang &Wu, 2012; Yokomitsu, 2019)。ギャンブルに対して無力であることを認めることは、回復への道どころか増悪への道かもしれない。こういう研究が無視される日本の不思議。

 家族自身にも解決能力はあります。正しい落としどころを見出す力もあります。しかし、GA型の家族会などでは、「家族は無力」の自覚を要求します。結局、ミーティングに通うことで、家族が回復するということを提案。その脅迫を信じて、考えることを放棄してしまう。まずこの問題の根底には、強迫的ギャンブリングとギャンブリング障害疑いを同一視する誤認または卑怯があります。次に、強迫的ギャンブリングでも12ステップの離脱率は高く、その背景に発達の問題などそもそも生活サポートが必要である福祉的側面が無視されていることがあります。ギャンブリングをやめれば、いわゆる健常、などということは必ずしもなく、だから自助グループ内適応が主たる回復の道になったりします。

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