そうなんだ、海馬と前頭前野に記憶痕跡が出来、アクティブさと関連ネットワークが変わるんだ。

 これまで、恐怖記憶に限らずエピソード記憶は、海馬で形成され(短期記憶)、時間経過とともに大脳新皮質に移行し長期記憶化すると考えられてきましたが、利根川先生らの研究↓によって、海馬、前頭前皮質両方に記憶痕跡(エングラム)ができ、記憶想起時の主体が海馬優位から前頭前皮質優位に移行していくプロセスが明らかになったそうです。
 以下、理研HP(http://www.riken.jp/pr/press/2017/20170407_1/#note1)の図3の説明からの引用です。
 まず、学習時に海馬においてエングラム細胞(記憶痕跡:記憶のネットワーク)は最初に形成される。さらに引き続き学習中に、海馬のエングラム細胞は、恐怖記憶に関わる扁桃体の細胞とともに、前頭前皮質のエングラム細胞を生成する(学習時)。学習後2~10日の間に、サイレントだった(記憶想起への関与が小さかった)前頭前野のエングラム細胞は、海馬のエングラム細胞からの神経入力によって、徐々に前頭前皮質のエングラム細胞は機能的に成熟する(樹状突起などが伸び複雑なネットワークを形成する)。一方で、海馬のエングラム細胞は時間とともにサイレント化する(記憶想起に関与しなくなる)。その結果、学習後1日の記憶想起では、「海馬→大脳嗅内皮質→扁桃体」の神経回路が使われるが、学習後2週間以降の記憶想起では、「前頭前皮質→扁桃体」の神経回路が使われる。
 他の皮質(頭頂連合野など)との関連は?この時の前頭前野記憶エングラムは、センスオブノーイングだったり、インデックスのような記憶なのか?この時、ネズミは意識化して電気刺激(電気刺激で恐怖条件付けをしている)を恐れているのか(前頭前野は意識的といえば意識的なので)?
 興味の尽きない研究です。ぱちんこ時の快感予測の意識化プロセス(力の入れどころの学習に伴う快の増幅)を考えると、半意識化かなとも思いますが。
Takashi Kitamura, Sachie K. Ogawa, Dheeraj S. Roy, Teruhiro Okuyama, Mark D. Morrissey, Lillian M. Smith, Roger L. Redondo & Susumu Tonegawa, "Engrams and Circuits Crucial for Systems Consolidation of a Memory", Science, doi: 10.1126/science.aam6808

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