子どもと読書

 子どもの読書は、子どもの認知機能の発達に肯定的な影響を与えると考えられています。例えば我々の調査では、子どもが読み聞かせをしてもらっている時、脳では想像力にかかわる側頭頭頂接合部の活動が増し、時折、ひらめきに必要なデフォルトネットワークの活動が高まります。
 発話にはブローカ野が、言葉の理解にはウェルニッケ野が強くかかわり、物語の理解にはウェルニッケ野を含む頭頂側頭接合部がかかわることが知られています。また物語を聞きながら映像が想像されれば視覚処理にかかわる後頭葉も活動を高めます。

 ニューヨーク大のジョンハットンらは3-5歳児19人が物語を聴いているときの脳活動を機能的MRIで調べ、読み聞かせなど読書習慣が多い子どもほど、頭頂側頭接合部や後頭葉の活動が高いことを示しました。読書習慣や知的な能力は家庭の収入の影響を受けやすいので、その影響を除去して得られた結論です。
Home Reading Environment and Brain Activation in Preschool Children Listening to Stories
John S. Hutton et al, Pediatrics, Published online August 10, 2015 (doi: 10.1542/peds.2015-0359)

ブリガムヤング大、シカゴ大の研究。母親の子どもへの読み聞かせと、子どもの読解力の関係についての大規模研究です。母親の職業や婚姻状況などの交絡要因を統制しても、母親が月に1日読み聞かせを増やすと(平均は月13日)子どもの読解力が標準偏差の8%程度向上するそうです。特に第一子で影響が大きいようです
The Effect of Mother–Child Reading Time on Children's Reading Skills: Evidence From Natural Within‐Family Variation
Joseph Price Ariel Kalil
Child Development, Volume90, Issue6
November/December 2019
Pages e688-e702

 双方向読み聞かせがIQを向上させるとする研究もあります。
 ま、相関か、因果か、遺伝の関与は、泣きどころです。

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