インターネット使用障害やゲーム障害では併存障害への目配りは必須。

 ギャンブリング障害では併存障害が多いことが知られている。たとえばDowling NA et al.(2015)によれば、アルコール使用障害が15.2%、薬物使用障害が4.2%、大うつ病性障害が29.9%、双極性障害が8.8%、統合失調症が4.7%、パニック障害が13.7%、社交不安障害 が4.9%、PTSDが12.3%、ADHDが9.3%など併存障害全体では74.8%におよぶという。
 インターネット使用障害(ゲーム障害を含む)でも併存障害が指摘されている。↓はイスタンブールの調査。10歳から18歳(平均年齢13.38±1.79歳)の45人の男の子と15人の女の子。60%(n = 36)が5年以上インターネットを使用。インターネットで費やした平均時間/週は53.7(範囲、30〜105時間)であり、平均YIAS(Young's Internet Addiction Scale)スコアは85。すべての被験者に少なくとも1つの併存障害があり、88.3%(n = 53)には少なくとも2つの併存障害。素行症、n = 52(86.7%);不安障害、n = 43(71.7%);気分障害、n = 23(38.3%);排泄障害、n = 16(26.7%);チック症、n = 10(16.7%);薬物使用障害、n = 4(6.7%)。注意欠陥多動性障害n = 53;(83.3%)、社会恐怖症n = 21(35.0%)および大うつ病性障害n = 18(30.0%)。
 ギャンブリングやゲーミングなどの行動嗜癖を単独の依存行動として扱うのは危険。文科省の、「「ギャンブル等依存症」などを予防するために 生徒の心と体を守るための指導参考資料」では併存障害に触れられていないのは、生徒にも教員にも多大な誤解を生む可能性がある。早急な改善を望む。
Prevalence and patterns of psychiatric disorders in referred adolescents with Internet addiction.
Bozkurt H, Coskun M, Ayaydin H, Adak I, Zoroglu SS.
Psychiatry Clin Neurosci. 2013 Jul;67(5):352-9. doi: 10.1111/pcn.12065.
 指導参考資料の作成委員の方が、ゲーム障害と共存する神経発達状態(具体的には自閉スペクトラム障害)が、神経ネットワークの機能的結合性を再配置および減少させることにより、行動嗜癖の原因となる可能性がある実行/認知および感情機能に関連する神経組織の実質的な障害を引き起こしたことを示唆する↓、とする報告もなさっているわけですし。
Neurobiological influence of comorbid conditions in young patients diagnosed with gaming disorder: A whole-brain functional connectivity study based on a data driven method.
Kuriki S, Higuchi S, Nakayama H, Mihara S, Okazaki Y, Ono Y, Kobayashi H.
PLoS One. 2020 May 29;15(5):e0233780. doi: 10.1371/journal.pone.0233780. eCollection 2020.

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