ゲーム障害と脳、異常な感情反応

 衝動性と感情の調節不全は、インターネットゲーム障害(IGD)の危険因子であることが知られています。しかし、その根底にある神経メカニズムはまだよく理解されていません。
 前頭前野が衝動性のコントロールや感情の抑制にかかわり、また依存症におけるコントロール障害には前頭前野が重要な役割を果たしていると考えられています。そこで、↓では、衝動性の抑制にかかわる感情型GO/NOGO課題を、異なる認知的負荷の下で行い、脳スキャンしました。具体的には、合計41人の若い男性成人(IGD20名、なし21名)が、低および高ワーキングメモリ負荷を要求する感情的なgo / no-goタスクの2つのバージョンを実行しながら、脳スキャンしました。
  IGDありでは、反応抑制の失敗が多く、前頭前野、運動野、体性感覚野、頭頂葉、後頭葉、島皮質、および線条体領域を含む広範囲の脳領域で脳の活動が高まったそう。背外側前頭前野と腹側線条体は、強いワーキングメモリー課題中にのみ活性化し、応答の抑制と感情状態の間の相互作用を示す背内側前頭前野の活動も高負荷タスクの間だけでした。
 これらの活性化はインターネットゲームに費やされた時間と関連したそう。つまり、インターネットゲーム障害では、特に高負荷時に、抑制制御ネットワーク内の応答阻害と感情制御機能不全が起こりやすいことを示し、ここに背内側前頭前野がかかわり、高負荷ゲーム中には切れやすくなったり、起こりやすくなったりする可能性が示されています。
 ここで注意が必要なのは、ゲームをしたことでこういう脳活動や反応が生じやすくなったのか、こういう脳活動や反応のしやすさがむしろゲーム障害を引き起こすのか、あるいは相互作用なのかは、こういう研究スタイル(ワンショットの横断調査)では不明な点です。パネル調査で因果関係を調べると、ゲームの結果、というより原因であったり、相互作用であったりすることの方が多いので、「ゲームで脳が・・」と即断しない方が妥当でしょう。
A neural mechanism of the relationship between impulsivity and emotion dysregulation in patients with Internet gaming disorder.
Shin YB, Kim H, Kim SJ, Kim JJ.
Addict Biol. 2020 May 4:e12916. doi: 10.1111/adb.12916.

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