環状RNAの減少が統合失調症や双極性障害での認知的柔軟性の障害にかかわるらしい

 統合失調症と双極性障害、さらには発達障害には遺伝的共通性が指摘されています。
 ↓はここに環状RNAの関与があるという研究。
 環状RNA(circRNA)は哺乳類の脳に豊富に含まれています。この研究では、Homerタンパク質ホモログ1(HOMER1)に由来する、前頭皮質に豊富に発現するニューロン濃縮circRNAであるcircHomer1aが、統合失調症(SCZ)および双極性障害(BD)の患者の前頭前野(PFC)で減少することと、患者のiPS細胞由来の神経細胞培養で減少することを示しています。また、circHomer1aの変化は、背外側前頭前野(DLPFC)と眼窩前頭皮質(OFC)の両方で統合失調症(SCZ)の発症年齢と正の関連があったそう。一方で、 SCZの発症年齢と線形HOMER1 mRNAの相関関係は観察されず、その発現はBDとSCZの死後脳でほとんど変化していなかったそう。環状RNAが怪しいわけです。
 また、マウス前頭前野(PFC)のcircHomer1aのin vivo circRNA特異的ノックダウンを使って、環状RNAがシナプス可塑性と精神疾患に関与する遺伝子からの多数の代替mRNA転写産物の発現を調節していることを示しています。さらに、in vivoでのマウスOFCのcircHomer1aノックダウンは、OFCを介した認知の柔軟性に特定の欠陥をもたらしたそう。ニューロンのRNA結合タンパク質HuDがcircHomer1aに結合し、前頭皮質でのシナプス発現に影響を与えることもしめしています。
 つまり、環状RNA(circRNA)は、シナプス遺伝子の発現と認知の柔軟性を調節するようです。
 その辺が、行動嗜癖、ギャンブリング障害やゲーミング障害にも効いてくるのかなあ、認知のゆがみを介してとか、性格を介してとか、というのが私の感想。
Open Access Published: 27 January 2020
A psychiatric disease-related circular RNA controls synaptic gene expression and cognition
Amber J. Zimmerman, Alexander K. Hafez, Stephen K. Amoah, Brian A. Rodriguez, Michela Dell’Orco, Evelyn Lozano, Brigham J. Hartley, Begüm Alural, Jasmin Lalonde, Praveen Chander, Maree J. Webster, Roy H. Perlis, Kristen J. Brennand, Stephen J. Haggarty, Jason Weick, Nora Perrone-Bizzozero, Jonathan L. Brigman & Nikolaos Mellios
Molecular Psychiatry (2020)

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