血清コレステロール高値は肝がんの抑制に役立つらしい

 コレステロールは生活習慣病とかかわり、低値がいいと考えられがちですが、いわゆる善玉コレステロールは多い方が望ましいですし、男性ホルモン、女性ホルモンはコレステロールです。またストレス関連物質コルチゾールは活性化物質でもありますが、アンチストレス物質のDHEAともどもコレステロール由来です。
 ↓はさらに肝がんの抑制に血清コレステロール高値が役立つというもの。
 C57BL / 6Jマウス、低密度リポタンパク質受容体遺伝子の破壊マウス(Ldlr-/-マウス)、およびナチュラルキラー(NK)細胞の条件付き削除マウス(NKdeleマウス)で研究を行いました。いくつかのC57BL / 6JおよびNKdeleマウスには、肝がんを誘発するためにジエチルイントロサミン(DEN)を注射。
 マウスを通常の食餌(ND)または高コレステロール食(HCD)で飼育し、コレステロールの高い血清レベルを誘導。また、高血清コレステロールを自発的に発現するApoEのホモ接合破壊マウス(ApoE-/-マウス)も研究対象とした。
  NDまたはHCD上のC57BL / 6JおよびNKdeleマウスに​​Hep1-6(マウス肝癌)細胞を移植し、異種移植腫瘍および肺転移の成長をモニター。マウスから血液サンプルを収集し、生化学とフローサイトメトリーで分析。肝臓および腫瘍組織を収集し、組織学、免疫組織化学、およびRNA-seq分析を実施。 NK細胞をマウスから単離し、コレステロール含有量、脂質ラフト形成、免疫シグナル伝達および機能の変化について分析。
  HCC患者30人から腫瘍組織と血液サンプルを、40人の健康なボランティアから血液サンプルを採取。コレステロールのレベルとNK細胞の活性度を測定。
 結果、HCD上のC57BL / 6Jマウスおよびコレステロールの血清レベルが高いApoE-/-マウスは、ND上のマウスよりもDEN注射またはHep1-6細胞移植後の肝臓腫瘍および肺転移が少なく、小さくなった。
  HCD給餌マウスおよびApoE − / −マウスからの肝臓腫瘍は、ND給餌マウスからの腫瘍と比較して、NK細胞の数が増加していた。
 NKdeleマウスまたはNK細胞の抗体ベースの枯渇を伴うマウスは、DEN注射またはHep1-6細胞移植後、NDおよびHCDグループで同様の腫瘍数とサイズを示した。 HCDを与えられたC57BL / 6Jマウスから分離されたNK細胞は、ND上のマウスのNK細胞と比較して、NK細胞活性化受容体(NCR1およびNKG2D)、エフェクター機能のマーカー(グランザイムBおよびパーフォリン)、およびサイトカインとケモカインの発現が増加。 HCD給餌Ldlr - / -マウスから単離されたNK細胞は、ND給餌Ldlr - / -マウスと比較して、マウス肝癌細胞に対するコレステロール含有量または細胞傷害活性の増加がなかった。コレステロールの血清レベルは、ヒトHCCから分離されたNK細胞の数と活性と相関した。
 つまり、HCDまたはApoEの遺伝的破壊により、コレステロールの血清レベルが上昇したマウスは、肝癌細胞または化学発がん物質の注入後に腫瘍がより少なく、より小さくなった。 NK細胞にコレステロールが蓄積し、肝癌細胞に対するエフェクター機能を活性化することが関与するらしい。 HCCの治療のために、NK細胞によるコレステロールの取り込みを増加させる戦略が開発される可能性がある。
High Serum Levels of Cholesterol Increase Anti-tumor Functions of Nature Killer Cells and Reduce Growth of Liver Tumors in Mice.
Qin WH, Yang ZS, Li M, Chen Y, Zhao XF, Qin YY, Song JQ, Wang BB, Yuan B, Cui XL, Shen F, He J, Bi YF, Ning G, Fu J, Wang HY.
Gastroenterology. 2020 Jan 20. pii: S0016-5085(20)30118-9. doi: 10.1053/j.gastro.2020.01.028.

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