中年は一日10分の運動で言語記憶が良好?

 認知症の予防や認知機能低下予防に、WHOは運動を強く推奨している(https://higeoyaji.at.webry.info/201907/article_7.html)。また米国保健福祉省(HHS)は健康のため運動を推奨しているがそのガイドラインでは週150分の運動を推奨している。またある程度の強度ある運動を推奨している。
 ↓はそれほど長い運動でなくとも、場合によっては強い運動でなくても認知機能が良好に保たれるかもしれないことを示した研究。具体的には1日10分(週70分)でもOKとのこと。また高齢者では強度より総活動量が影響するとのこと。
 フラミンガムスタディに参加した2770人を対象。中年(平均年齢48.7±8.6歳)および高齢(同71.3±7.6歳)のグループ別に身体活動量や強度と認知機能の関係を検討。
 結果、いずれのグループも1日約10~20分の中等度~高強度の身体活動を行っている人で、良好な認知機能との関連が認められた。特に、中年グループでは、10分の中等度~高強度の身体活動を行っている人でも言語記憶が良好。高齢グループでは、身体活動の強度ではなく、総活動量が認知機能の高さとより強く関連したそう。
 ただしこれらは相関研究にすぎず、このくらいの運動をすれば認知機能の低下が防げるといった因果関係を示すものではない。特に最近ではこうした運動や、同様に認知症や認知機能低下予防と関連するとされる健康的な食事も、認知症、認知機能の関連自体が疑似相関で、二十数年前から進行するアルツハイマー病によって運動をしなくなったり、健康的な食事をとらなくなったりするのではないかとの疑義や、それを後押しする証拠が提出されているので(https://higeoyaji.at.webry.info/201904/article_11.html)、この点は留意が必要。遺伝リスクが低い人では健康的な習慣(運動や食事)が奏功するあたりが落としどころになりそうだが(https://higeoyaji.at.webry.info/201909/article_1.html)。まあ、こういう研究も踏まえての2019年5月のWHOガイドラインなので、現状ではここに乗っかった議論が正当だろうが。
Accelerometer-determined physical activity and cognitive function in middle-aged and older adults from two generations of the Framingham Heart Study.
Alzheimer's & dementia (New York, N. Y.). 2019;5;618-626. doi: 10.1016/j.trci.2019.08.007.
Nicole L Spartano, Serkalem Demissie, Jayandra J Himali, Kimberly A Dukes, Joanne M Murabito, Ramachandran S Vasan, Alexa S Beiser, Sudha Seshadri

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