中年期の食事内容は認知症の発症とかかわらない?

 認知機能低下予防や認知症の予防に役立つこととして、有酸素運動や筋トレなどの運動、野菜・魚が豊富なバランスのいい食事、生活習慣病の予防や治療(血圧、脂血、血糖などの管理)、認知的活動、人とのかかわり社会参加などが、疫学データなどに基づきしばしばあげられてきた。日本でもそういう縦断調査は増えてきているが、日本も含め、これらの調査は5~10年の観察期間が多く、短すぎる可能性が指摘されてきた。〇〇が認知症予防に役立つ、は論外として。
 ↓は、25年程度の観察で、中年期の食事内容は認知症の発症リスクとかかわらないというもの。
 最大の結論は、食事内容の健康的な質スコア(AHEIスコア)の1標準偏差の増加と、認知症発症の補正後ハザード比の関係で、1991~93年0.97(95%CI:0.87~1.08)/1,000人年、1997~99年0.97(同:0.83~1.12)、2002~04年0.87(同:0.75~1.00)で、健康的な質スコアが高い方が、ハザード比が1以下で、リスクが低減しているように見えるが、95%CIは1をまたぎ、この差は統計的には意味がない、というもの。
 調査は、1991~93年時点で認知症の認められなかった8,225例を対象に調査。平均年齢50.2歳(SD 6.1)、中央値24.8年(四分位範囲:24.2~25.1)の追跡期間中に344例が認知症を発症。
 1991~93年の、AHEIスコアの三分位の認知症発症率は、最低位1.76(1.47~2.12)、中程度との絶対差は0.03(同:-0.43~0.49)/1,000人年、最良で0.04(同:-0.42~0.51)。
 1997~99年では、2.06(95%CI:1.62~2.61)、中程度との絶対差は0.14(同:-0.58~0.86)、最良0.14(同:-0.58~0.85)。
 2002~04年は3.12(95%CI:2.49~3.92)で、中程度が-0.61(同:-1.56~0.33)/1,000人年、最良が-0.73(同:-1.67~0.22)だったそう。
 この経年変化は発病前に食事内容が変わる。発病すると非健康的な食事になりがちのゆえという考察が興味深く、5~10年の観察期間では発症前の食事嗜好の変化の反映なのではないか、としている。
 今後は、認知機能低下予防系の講演などでは、この件にも触れないといけない。その上で、やはり健康的な生活がQOLを・・・ではいかにも苦しいが。しかしそうなると介護予防に結果を求めたり、ただ楽しいだけではダメなんだ的な主張も今後苦しくなっていくんだろうか。ま、エビデンスの現状は正しく伝えましょう。
Association of Midlife Diet With Subsequent Risk for Dementia.
JAMA. 2019 03 12;321(10);957-968. doi: 10.1001/jama.2019.1432.
Tasnime N Akbaraly, Archana Singh-Manoux, Aline Dugravot, Eric J Brunner, Mika Kivimäki, Séverine Sabia

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