アルコール血中濃度規制を厳しくしても事故は減らなかった

 交通事故の死傷事故の大半を飲酒運転が占めている。だから飲酒運転を減らそう、そのためにドライバーの血中アルコール濃度の規制を厳しくしていくことが各国で行われている。
 では、実際、規制を厳しくすることで、事故は減っているのだろうか。
 ↓はスコットランドで、2014年12月5日にアルコール血中濃度基準値が0.08g/dLから0.05g/dLへ引き下げられた結果を検証したもの。変更を行っていないウェールズのデータも加味して分析。2013年1月1日~2016年12月31日の期間での1週間の交通事故発生率とアルコール消費量を評価。交通事故率は、警察の事故記録から週間交通事故数を収集、自動交通量計数装置から交通量を分母として算出したそう。
 結果、スコットランドで規制が厳しくなった前後で交通事故発生率の有意な変化は認められなかったそう。これは、季節および時間的傾向で補正しても、季節、時間的傾向およびドライバーの年齢・性別・社会経済的貧困の補正後でも同様だったそう。むしろ7%増加したとみなせる結果も出ているそう。
 つまり、直感的には役に立つ規制に見えるが、アルコール規制値の引き下げは実際には役立っていないわけだ。その一方で、アルコール消費量はわずかに減っており、飲酒量を減らすのには少し役立っているそう。
 医療、教育、そして様々な施策も、今後、エビデンスに基づく検証が必要だ。民主主義社会では民意や空気が帰省を決めていくが、科学的な検証が必要なのは言うまでもない。世論に押され厳罰化、規制強化が行われがちだが、直感的な正しさが正しくないことは少なからずある。
An evaluation of the effects of lowering blood alcohol concentration limits for drivers on the rates of road traffic accidents and alcohol consumption: a natural experiment.
Lancet (London, England). 2018 Dec 12; pii: S0140-6736(18)32850-2.
Houra Haghpanahan, Jim Lewsey, Daniel F Mackay, Emma McIntosh, Jill Pell, Andy Jones, Niamh Fitzgerald, Mark Robinson

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