味細胞はなぜ同じ場所に落ち着くか

 舌に多く存在する味蕾は味覚受容体細胞と支持細胞から形成されている。人では舌のほか、軟口蓋(口の奥の上面)、喉頭蓋、および食道上部内面など、口や喉に幅広く分布している(舌以外でも味を感じる)。
 この味覚受容体細胞(味細胞)の寿命は5~20日ほどで、常に新しい味細胞が補充されているわけだが、この味細胞が結合相手である神経節ニューロンと適切な結合を再構築する仕組みについてはよく分かっていない。
 ↓は、味受容器細胞が、味受容器細胞タイプごとに異なる軸索ガイダンス分子を使って、特定の味質を表現するニューロンと結合を作ることを示した。例えば、苦味受容器細胞は苦味ニューロンと結合するが、甘味受容器細胞に苦味ガイダンス分子を異所的に発現させると、甘味受容器細胞を苦味ニューロンが結合する。軸索ガイダンス分子が重要なわけだ。

 ちなみに味細胞が感じる基本味は、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味。
 痛み、温度、化学物質などが組み合わさって、他の味覚が表現されるのではないかと考えられている。

・辛味 …TRPV1受容体を刺激する「痛み」が辛味。TRPV1は高温を痛みとして感じる受容体なため、熱いとより辛い。わさびなどに含まれるアリルイソチオシアネートはTRPA1を刺激して辛味を与えるが、この受容体は冷たさとかかわる。

・冷たい感覚 …TRPM8でも冷たい感覚。メントールでの反応。これらの感覚は全身で発言するので、カプサイシンやメントールを体に塗っても舌で感じるような感覚を感じる。

・渋み …タンニンなどで口内が収れん作用を起こすことが渋みとして感じられる。

・カルシウム …マウスを使った実験でカルシウム感知受容体がマウスの舌に発見されている。ヒトにこれが当てはまるかは不明。

・脂肪 …少なくともラット・マウスの舌には何らかの油脂受容体が存在すると考えられている。仮に人間にも同じ仕組みがあった場合脂肪を舌によって感じているということになる。

・コク味 …グルタチオンがカルシウム受容体に働きかけることで「コク」を感じると想定されている。

ほかに、麻味(山椒など)、えぐみ等も興味深い。

Rewiring the taste system
Hojoon Lee, Lindsey J. Macpherson, Camilo A. Parada, Charles S. Zuker & Nicholas J. P. Ryba
Nature 548, 330–333 (17 August 2017)

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