睡眠中の新規学習は浅い眠りの間だけ?。。ま、よく寝ましょう

 マウスで睡眠中に場所の好みの学習が出来るとか(http://higeoyaji.at.webry.info/201503/article_4.html)、人で徐波睡眠中に記憶の定着が起きるらしいとか(http://higeoyaji.at.webry.info/201408/article_19.html)、睡眠中の学習促進を示す研究は多々ある一方で、こうした実験がうまくいくケースとうなくいかないケースがあることも知られています。
 パリENSなどの研究チームは、レム睡眠時と浅いノンレム睡眠時(ステージ1,2)には学習が起こりやすいが、深いノンレム睡眠時(ステージ3,4)には新たな情報の学習能力を抑制することを示し、これが結果の不安定とかかわるのではないかとのこと。
 彼らは、睡眠中の被験者の脳活動を測定し、被験者にさまざまな音系列を聞かせ、目覚めた後、睡眠中に聞いた音をどの程度はっきりと認知できるのかを調べたそう。
 結果、レム睡眠時に音系列を聞いた被験者は成績がよく、ノンレム睡眠時に音を聞いた方は成績が悪かったそう。また、ノンレム睡眠時、眠りが浅いと学習は可能だったが、眠りが深いと学習はむしろ抑制されたそう。
 外側からの刺激にかかわる学習はレムか浅いノンレムということ。一方で、すでに学習したことについての定着が睡眠中、とくに深いノンレム睡眠(徐波睡眠)に起こることもヤンボーンらなどによって報告されている。また学習後、目をつむる、寝るなど、他の情報による記憶の干渉を置きにくくすると、記憶が固定しやすくなるとも考えられており、高齢者で睡眠が浅くなることと記憶力低下の関連もアミロイドβなどを介して示されている。
 折衷的には、ひらめきや新規学習は浅い眠りで、記憶の固定は深い眠りで、ということなのかもしれない。
Formation and suppression of acoustic memories during human sleep.
Andrillon T, Pressnitzer D, Léger D, Kouider S.
Nat Commun. 2017 Aug 8;8(1):179.
 いずれにしても、睡眠が不足すると記憶力が二日酔い時なみになるとか、アミロイドβが蓄積しやすくなるとか、あるいは、ミクログリア(徘徊しながらニューロンの活動をモニターしたり、古くなったり死んだ細胞を食作用によって取り込んだりする)の遺伝子が活性化し、アストロサイト(不要になったシナプスの剪定、残骸の除去、または接続回路の再形成を行う)とともに、脳細胞、とりわけ接続の重要なキーとなるハブ部分に働き、脳のネットワークを壊すらいいことも明らかになっているので↓、よく寝るに越したことはないですな。
Sleep Loss Promotes Astrocytic Phagocytosis and Microglial Activation in Mouse Cerebral Cortex.
Bellesi M, de Vivo L, Chini M, Gilli F, Tononi G, Cirelli C.
J Neurosci. 2017 May 24;37(21):5263-5273.

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック