音楽の快感にも脳内麻薬系がかかわる(当たり前)

 アルコール使用障害、ギャンブリング障害では、オピオイド(内因性麻薬)系の関与が考えられ、ナルトレキソンやナメルフェンといった麻薬拮抗薬(オピオイド系遮断薬)が、アルコール使用障害の治療薬として多くの国で認可されており、ギャンブリング障害でも有効ではないかとの指摘が時折ある(Hodgins DC et al. Lancet, 2011)。そしてこういう言い方をするとオピオイド系はおどろおどろしいもの、特殊な作用系と思われがちだが、実は日常の正常な快感もこのオピオイド系に支えられている。
 ↓は好きな音楽を聴いて喜びを感じることにもオピオイド系が関与することを示した実験。カナダマギル大の実験。大学生17名にナルトレキソンを与え、音楽を聞かせた。その結果、大好きな曲を聞いても喜びの感情が生じなかったそう。『大好きな曲なのにいつものように感じない』『きれいな曲だが、自分には何も意味がない』などの意見があったとか。
 こういうのはドーパミン系でもオピオイド系でもカンナビノイド系でも予想されてきたことだし、実証的な報告も多々あるが、音楽では初めての報告。ようは音楽でも趣味でも仕事でも学習でも、およそ快にはドーパミン系、オピオイド系、カンナビノイド系がかかわっており、これらを遮断すると無味乾燥。楽しくない。
 だから、ドーパミン系、オピオイド系、カンナビノイド系の働きを、ギャンブリング障害などでおどろおどろしく伝えるのはおかしな話だし、むしろ様々な事柄への無味乾燥さが薬物使用障害への脆弱性を生んでいるらしい証拠も出始めている(http://higeoyaji.at.webry.info/201703/article_2.html)。回復支援では「喜び」を見出すことこそ主眼であるべきとするワンデーポートの主張は首肯できる。
Anhedonia to music and mu-opioids: Evidence from the administration of naltrexone.
Scientific reports. 2017 Feb 08;7;41952. doi: 10.1038/srep41952.
Adiel Mallik, Mona Lisa Chanda, Daniel J Levitin

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