子どもは親に褒められ、読書習慣をつけ、あまりゲームをしないのがよろしいようで。(  )内は反論?。

以下、さらっと書くと、ママ信じ、「こうしないとダメ」的話と受け取られかねないので、(  )内に、反論でもないですが、こういうことは踏まえて受け取った方がいいかも、ということを記します。 
・親が子を褒めることは、子どもの後部島皮質の灰白質を増す。ここは、共感とかかわるといった指摘や、扁桃体と連動して情動の調整に係ると考えられている。さらにほめられた子どもたちは誠実さや開放性が高くなっていた。(親の養育態度と子どもの知能、行動特性、うつ傾向、攻撃性などについてこれまでも調べられてきていて、「世の中が望ましい」と思うような養育態度をとっている親の子は、知能など高まりやすいことが報告されています。が、それは「世の中が望ましいと思われることをする傾向(一般性格)」が知能などとかかわり、かつ3~5割程度は遺伝するからであり、養子の場合、この関連が見いだせなかったとする報告もあります。↓は親の学歴でコントロールしていますが、それで除去できるかわかりません)
Parental Praise Correlates with Posterior Insular Cortex Gray Matter Volume in Children and Adolescents.
Matsudaira I, Yokota S, Hashimoto T, Takeuchi H, Asano K, Asano M, Sassa Y, Taki Y, Kawashima R.
PLoS One. 2016 Apr 21;11(4):e0154220. doi: 10.1371/journal.pone.0154220. eCollection 2016.
PMID: 27101139
・読書習慣は左の弓状束、下前頭後頭束、放射冠など言語処理に係る線維束の発達を促す。(これも「世の中の望ましい行動」で↑同様の指摘があります)
Impact of reading habit on white matter structure: Cross-sectional and longitudinal analyses.
Takeuchi H, Taki Y, Hashizume H, Asano K, Asano M, Sassa Y, Yokota S, Kotozaki Y, Nouchi R, Kawashima R.
Neuroimage. 2016 Jun;133:378-89. doi: 10.1016/j.neuroimage.2016.03.037. Epub 2016 Mar 24.
PMID: 27033689
・脳由来神経栄養因子にかかわるVal66Metの多型が灰白質の発達に係る。(ま、こういった遺伝的傾向を交絡因子にして検討したらどうなるかを示してほしいということですね)
Effects of the BDNF Val66Met Polymorphism on Gray Matter Volume in Typically Developing Children and Adolescents.
Hashimoto T, Fukui K, Takeuchi H, Yokota S, Kikuchi Y, Tomita H, Taki Y, Kawashima R.
Cereb Cortex. 2016 Apr;26(4):1795-803. doi: 10.1093/cercor/bhw020. Epub 2016 Jan 31.
PMID: 26830347 Free PMC Article
 長時間のビデオゲームが、前頭前皮質、海馬、基底核や記憶や意欲に係る脳部位にネガティブな影響を与えている。言語性知能を低下させ、快感関連領野の単純化が生じている。(これも↑同様ですが、他の論文もそうですが、例えばpub medで論文名を入れ、オープン論文なら原文が読めます。↓はhttp://www.nature.com/mp/journal/vaop/ncurrent/full/mp2015193a.htmlで読めます。↑の結果は、figure1,2,3の関係を言っており、間違ってはいませんが、ビデオゲーム時間の残差で1,2、この場合、0が1時間程度なので、2,3時間までの遊技なら、大した影響ではないとも読めます。薬の効果でも元論文にあたるとこんなもんか、と思うことも多々ありますから、原著にあたって、どう判断するか決めた方がいいと思います)
Impact of videogame play on the brain's microstructural properties: cross-sectional and longitudinal analyses.
Takeuchi H, Taki Y, Hashizume H, Asano K, Asano M, Sassa Y, Yokota S, Kotozaki Y, Nouchi R, Kawashima R.
 何が望ましい脳変化なのか、島や尾状核の評価など、なかなか難しいですし、行動遺伝学の双子研究データでは、言語能力、学業成績を除くと、家庭環境(共有環境:双子で共通するような環境)の影響は、ほぼ0と出るのが一般的です。言語性知能の58%は極めて例外で、その意味では第二論文で言語性知能が浮き彫りになるのはなるほどですし、学業成績に家庭環境の影響があるとはいえ、それは17%くらい。たとえば音楽の遺伝率は92%、数学は87%で、いずれも家庭環境の影響は0%です。
 といいつつ、ここは重要ですが、物事は遺伝や素質じゃない、努力だ、と思っている人の方が知能もスキルも伸びることも知られています。

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