「はげひげ」の脳的メモ

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zoom RSS 唐辛子やワサビはなぜ痛い?メントールが冷たいのは?アイスクリームは溶けた時が甘いのは?

<<   作成日時 : 2016/08/30 01:15   >>

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 イオンチャネルのTRPファミリーに属する複数のメンバーは温度感受性であることが突き止められている。酷い熱さにはTRPV2、痛みのある熱さにはTRPV1、TRPM3、ANO1、痛みを伴わないあたたかさにはTRPV3、TRPV4、痛みを伴わない冷たさにはTRPVM8、痛い冷たさにはTRPA1がかかわる。しかし、痛みを伴わない温感刺激のメカニズムは明らかになっていなかった。それはTRPV3やTRPV4のようなそれらしい候補を遺伝的に欠失させても温度感知に影響がなかったからであるが、↓は、クローン化したチャネルを用いる通常の方法を取らずに、実際の感覚ニューロンの温度刺激に対する反応を調べ、次いでRNA塩基配列解読を行うことで、33〜38度という非侵害域の温かさの感知にはTRPM2が遺伝的に必要であること、また、こうした温かさの感覚は自律神経系で伝達されることを突き止めたそう。
The TRPM2 ion channel is required for sensitivity to warmth.
Tan CH, McNaughton PA.
Nature. 2016 Aug 17;536(7617):460-463. doi: 10.1038/nature19074.

 ちなみに以下は、TRPファミリーについて、あれこれ。
・Transient receptor potential(trp)遺伝子はショウジョウバエの光受容応答変異株の原因遺伝子として発見された。
・Caterina らは感覚神経に特異的に発現し、カプサイシン、酸、熱により活性化する TRPV1 を発見した。辛みは痛み、という話はここから生まれた。

・TRPM ファミリーは細胞の代謝、分化、増殖、細胞死の調節に重要な役割を果たしていると考えられており、酸化ストレス、細胞内Ca2+濃度上昇、温度変化、膜電位変化、pH の変化、機械刺激、浸透圧の変化等で活性化する。
・TRPM5 は15-30℃の温度で活性化。甘み、苦み、うま味を感知する味蕾細胞に発現が見られ、TRPM5 の甘みに対する応答は、温度が高いほど活性化されることから、アイスクリームは口に含んだ瞬間よりも溶けてきた時の方が甘みを感じるのはTRPM5の性質故と考えられている。
・TRPM8 は、メントールや 25℃以下の冷刺激により活性化される。またTRPM8 活性化温度閾値は少量メントール投与によって上昇するので、メントールガムを噛んだ後に水を飲むと、水がより冷たく感じられると考えられる。
ことを説明することができる.

・TRPVファミリーのうち、TRPV1-4 は、皮膚や神経など、感覚に関わる部位に発現し、化学刺激、温度上昇、pH の変化、機械刺激、浸透圧の変化などの物理・化学的な刺激や膜の脱分極で活性化される。TRPV5-6 は、Ca2+透過性が高く、腎臓や腸における Ca2+吸収に関わっている。
・TRPV1 はC 線維や Aδ線維などの一次知覚神経に多く発現し、カプサイシン、酸(プロトン)、熱(> 43℃)によっても活性化され、長く続く痛み等(ポリモーダル侵害)にかかわる。
・TRPV1はカプサイシンによって熱に対する活性化閾値を下げるので、辛い刺激物を食べて口の中がヒリヒリしている時に熱いものを飲むと更に痛みがひどくなる。
・炎症時に産生される細胞外 ATP、ブラジキニン、プロスタグランジン(PGE2,PGI2)、トリプシンやトリプターゼは、 protein kinase C(PKC)及び PKA を介して TRPV1 の活性化を増大させ、活性化温度閾値を体温以下に下げるので、炎症時にはTRPV1 が熱ではなく通常の体温によって活性化され痛みを引き起こしうる。
・TRPV2 は脳や神経に発現し、高温(> 52℃)および機械刺激により活性化される。大麻成分の cannabidiol によって活性化される。
・TRPV3 は、皮膚の角化細胞、脳、神経などに発現しており、32-39℃で活性化する。
・TRPV4 は、肺、腎臓、血管内皮細胞などに多く発現し、細胞外液浸透圧の減少により活性化する。TRPV1 と共に喘息や COPD 等の気道炎症に関与する。温度感受性も報告されており、その活性化閾値は 27-35℃。寒冷下では四肢末梢血管が収縮し、温熱環境下で拡張するといった生体反応にTRPV4 がかかわる。

・TRPA1は 17℃以下の冷刺激によって活性化され、マスタードオイルやワサビの成分である allyl isothiocyanate(AITC)、シナモン、生ニンニク、メントール、ニコチン、ブラジキニン、催涙ガスや車の排ガス等に含まれるアクロレイン、硫化水素、Ca2+イオン、細胞内アルカリ化等に反応して痛みを惹起する。

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