催眠誘導で脳はどうなるか?

 「横になってください」「肩の力を抜いて、吸う息、吐く息、ゆっくりと観察してください」「吸う息は少し暖かく、吐く息は少し冷たい、その温度の違いを観察してください」「・・・今ある意識を、ゆっくりと右手に移してください」「肩・・・肘・・・手首・・・指先・・・右腕全体を感じてください」「次の言葉をゆっくりと繰り返してください」「気持ちが落ち着いている、気持ちが落ち着いている、気持ちが落ち着いている・・・・・」「気持ちを落ち着けようとせず、ただ言葉を繰り返してください」「気持ちが落ち着いている、子持ちが落ち着いている、気持ちが落ち着いている・・・・・」「今度はこの言葉です」「右手が重たい、右手が重たい・・・・」「ゆっくりと繰り返してください」・・・・・・
 ま、自律訓練法なら、こんなパターンで催眠誘導していきますし、解決志向ブリーフセラピーなら、ミラクルクエッション、サバイバルクエッション、スケーリングクエッション、タイムマシンクエッションを使って、起きた状態で一種の催眠誘導に近いことを行います。
 さて、スタンフォード大学のDavid Spiegelらは、非常に催眠にかかりやすい36名と、21名の催眠にかかりにくい被験者を対象に、安静時、記憶を思い出すとき、催眠誘導時の脳活動をMRIで比較したそうです↓。
 その結果、催眠にかかりやすい被験者では、
(1)物事を比較し、心配さる価値があるかどうかを決めることに係る背側前帯状皮質の活動が低下した。ここはうつで活動が亢進しやすい場所で、気になることを見つける脳の顕著性ネットワーク(Salience network)の一部。
(2)実行機能の中核、背外側前頭前野と、身体状況のモニタリングやコスト計算に係る島(とう)との接続が増大。
(3)ぼんやりしたときに働き、ひらめきなどともかかわるデフォルトネットワークと、背外側前頭前野の接続が減少。
したとか。
 (1)によってリラックスでき、(2)によって心拍や血圧の誘導が可能になり、(3)によって行動の誘導が可能になるのではないかとのこと。意識のかい離が起き、暗示に対する検閲が入りにくいということでしょうか。
 いすれにしても、かかりやすい人とかかりにくい人はおり、時折テレビで見かけるような催眠暗示に皆が皆かかるわけではないことは知っておきましょう。気になる方は、目をつぶって両手を突き出し、右手にバケツを持ち、そこに水がどんどん入ってくる様子をイメージし、左手には窒素風船が括りつけられていて、どんどんどんどんふくらんでいく様子を想像します。ま、これで左右の手の高さにえらく差が出る人は、かかりやすいので、特殊詐欺などにも注意が必要?
 また、この程度の脳変化なら、わざわざ催眠暗示しなくても、日常の延長で行ける?熱血なんたらはこの系統?
Brain Activity and Functional Connectivity Associated with Hypnosis.
Cerebral cortex (New York, N.Y. : 1991). 2016 Jul 28;
Heidi Jiang, Matthew P White, Michael D Greicius, Lynn C Waelde, David Spiegel

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