携帯電話レベルの高周波でガン???もめてる案件、NIH(米国立衛生研究所)は疑義

↓は、携帯電話が放つレベルの高周波に2年間接した雄ラットが2つの腫瘍・脳の悪性神経膠腫と心臓のシュワン細胞腫を僅かながらより発現する傾向を示しましたというもの。
Report of Partial Findings from the National Toxicology Program Carcinogenesis Studies of Cell Phone Radiofrequency Radiation in Hsd: Sprague Dawley? SD rats (Whole Body Exposures) . biorxiv(bio-archive)
http://biorxiv.org/content/biorxiv/early/2016/05/26/055699.full.pdf
 しかし、外部レビューを行ったNIHの専門家らはこの研究に疑義を呈しています。
・今回の研究では妊娠中から生後2年まで、極めて高線量の電波にラットを曝露しているが、それでも腫瘍が発生したのは雄ラットの2~3%のみだった。
・雌ラットに全く腫瘍が発生していないことや、電波に曝露したラットよりも曝露しなかったラットのほうが死亡率が高かったことも奇妙。
・電波に曝露しなかったラットでは、「正常」集団で予測されるのと同等比率での腫瘍発症は認められていないのも不自然。
 ということで、外部レビューを実施したNIHのMichael Lauerは、「研究著者らの結論を受け入れることはできない。この実験は検定力が大幅に不足しており、少数の陽性例には偽陽性の疑いがある。電波に曝露したラットのほうが長生きしたという事実も、疑惑をさらに深める」と述べているそう。
 これまでのヒトの大規模研究では、携帯電話の使用によりがんの発症リスクが上昇することを示すエビデンスはごく少なく、多くの研究で、携帯電話と有害な健康被害の関連は示されていないので、NIHの肩を持ちたいですが、それとは別に、科学のすばらしいところは、こうやってデータに基づきもめられることです。

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