糖尿病は海馬を縮小させるらしい

 福岡県、久山町の久山スタディは世界的に有名な疫学調査で、すでに糖尿病の人はそうでない人に比べて認知症のリスクが2倍ほど高まるといった結果も報告している。今回はさらに、記憶にかかわる海馬の容積を対象としたもの。脳の大きさ、年齢差などの影響を除去した上で評価したところ、糖尿病歴が10-16年で糖尿病でない人に比べて約3%、17年以上だと約6%小さかったとのこと。
 具体的には、65歳以上1,238人(23%、286人が糖尿病)についてMRIで、全脳容積(TBV)、頭蓋内容積(ICV)、海馬容積(HV)をしらべ、全脳萎縮の指標にTBV/ICV比、海馬萎縮の指標にHV/ICV比、海馬優位の脳萎縮の指標にHV/TBV比を算出して調べたもの。
 結果、年齢や性などの因子を調整したところ、糖尿病患者は、非糖尿病患者に比べTBV/ICV比、HV/ICV比、HV/TBV比はいずれも有意に小さく、脳および海馬の委縮が認められたそう(それぞれ77.6%対78.2%、0.513%対0.529%、0.660%対0.676%、いずれも1%水準で有意)。これらの3つの指標は、食後2時間血糖値の上昇に伴って有意に小さくなったが、空腹時血糖値との関連はみられず、食後2時間の血糖値上昇が重要と考えられた。
 クレイマーらの研究では、65歳くらいの人が一年間、週三回一日40分の速歩を行うと2%、海馬が大きくなる、一方、単に健康体操をしている人では1-2%縮小。都合、3-4%、海馬の容積増が期待できるので、糖尿病の予防、治療のための運動は、糖尿病のリスクのある人ではぜひ必要ということでしょうか。
Association Between Diabetes and Hippocampal Atrophy in Elderly Japanese: The Hisayama Study.
Diabetes care. 2016 Jul 6; pii: dc152800.
Naoki Hirabayashi, Jun Hata, Tomoyuki Ohara, Naoko Mukai, Masaharu Nagata, Mao Shibata, Seiji Gotoh, Yoshihiko Furuta, Fumio Yamashita, Kazufumi Yoshihara, Takanari Kitazono, Nobuyuki Sudo, Yutaka Kiyohara, Toshiharu Ninomiya

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