忘れようとすると、その前後の出来事の記憶も薄れるらしい

 バード大のJustin Hulbertとケンブリッジ大の研究者たちは、381人の参加者に記憶想起の実験を行った。参加者は、関連した一対の単語(例えば、「跳躍」と「バレエ」)を記憶してもらい、その一方の単語が表示された後、それと対になる単語について思い出してもらったり、あえて思い出さないようにしてもらったりした。また、ときおり、ありそうにない出来事(駐車場にクジャクがいること)の画像が表示され、記憶の干渉が行われるようにした。そして、最初に覚えてもらった写真の背景部分のみを表示し、そこに写っていた物体を参加者に思い出してもらった。
 その結果、単語の記憶を抑制する指示があった場合には、抑制対象となる単語の指示があった直前または直後に示された物体の詳細を記憶することも難しくなっていた。
 また、HulbertらはMRIを用いて、記憶抑制を行っている参加者の脳の活動をしらべ、記憶形成の阻害が海馬と外側前頭前皮質の活動の低下と直接相関していることを明らかにした。思い出さないようにすると、短期記憶にかかわる前頭前野-海馬システムが抑制され、直前の出来事ではその定着が、直後の出来事では記銘が阻害されたと考えられるのかもしれない。失恋の痛手を忘れようとしているときの仕事は、霧の中。
Inducing amnesia through systemic suppression
Justin C. Hulbert, Richard N. Henson & Michael C. Anderson
Nature Communications 7, Article number: 11003 doi:10.1038/ncomms11003

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