冷静に実態を把握し、対処の仕組みを考えよう

「森山さんは9年前、正確な実態を知ろうと、患者100人に対して日本で初めてのギャンブル依存症の調査を行いました。平均的な姿は、20歳でギャンブルを始め、28歳で依存症の兆候である借金をし始めます。ところが、病院で受診したのは10年余りあとの39歳。
周囲の人が依存症の兆候にいち早く気付き、本人に治療を受けさせることが重要ですが、見過ごされているのが実態です。依存症患者がつぎ込んだ金額は平均1,293万円。中には1億円を超えてもなおやめられない人もいました。」(NHKクローズアップ現代、2014年11月17日(月)放送、“ギャンブル依存症”明らかになる病の実態、http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3582_all.htmlより)

「依存症患者がつぎ込んだ金額は平均1,293万円」などと聞かされると、大変なことだと思ってしまう。しかし、冷静に計算してほしい。「患者」の平均像では、20歳から始め、39歳で受診。約20年間遊技している。すると年平均では60万強。パチンコの平均時間粗利(一時間の遊技で店が得る収益の全国平均、DK-SISデータなどで明らかになっている)は700~1000円くらいなので、「患者」は1年で600時間くらい遊技したと考えられる。月50時間くらい。土日、10時から8時くらいまで遊ぶ感じだろうか。
こう考えると、「患者」は朝から晩まで毎日、暇さえあれば打ち続けているというわけでもないし、仕事の時間も、余暇の時間も、家庭のことをする時間もある。浮かび上がるのは、すべての時間をパチンコに奪われている姿ではなく、仕事をきちんとし、余暇を楽しみ、家庭の時間を確保する、そのマネジメントできていない姿。たてなおすべきは、仕事、暮らし、余暇。
なお、時間粗利からわかるように、1億つぎ込むには、パチンコ以外のギャンブル、あるいはよほどの浪費が必要だ。


「いったんギャンブルにのめり込むと、なぜやめられなくなるのか右側の画像は、一般の人の脳が周囲の刺激に対し、赤く活発に活動している様子を示しています。一方、左側の依存症患者の脳では活動が低下しています。ギャンブルにだけ過剰に反応するようになり、脳の機能のバランスが崩れてしまったのです。」
「京都大学大学院医学研究科 医師 鶴身孝介さん「意志の問題で片づけられてしまいがちだが、脳にも明らかな変化が起きている。(ギャンブル依存症の)影響は大きい。」
(NHKクローズアップ現代、2014年11月17日(月)放送、“ギャンブル依存症”
明らかになる病の実態、http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3582_all.htmlより)
その図は以下だ。
画像


(宮岡ら、病的ギャンブリング「いわゆるギャンブル依存」の概念の検討と各関連機関の適切な連携に関する研究、2013、のPPTより。番組で引用)


こういう図を見せられると「脳が変わった」などといいがちだが、なんにでも慣れると脳活動は小さくなる。たとえば左図は百マス計算、脳トレ的運動、繰り返すと脳は鎮静化する。
脳は、たとえばジャグリングの練習を一週間程度繰り返すだけで、前運動野、運動野などが厚みを増す。
脳は可塑的で柔軟な変化を示すのが日常だ。
この話があなたにとって新しければ、あなたの脳は先ほどまでとどこかしら変わっているのは当たり前。
画像

情報は冷静に正しく理解しよう。
要因論を言うなら、最低限、縦断データは必須。

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