ギャンブル障害の疑いの重症度とADHD症状は関連し、歳をとるほどその関係が強まる

 カナダ・マニトバ大学のJennifer Theuleらは、ギャンブル障害の疑いの重症度とADHD(注意欠如多動症)の症状との関連を調べるため、PsycINFO、PubMed、ProQuest Dissertations & Theses、Google Scholarより、関連する研究を検索し、ランダム効果モデルを用いてメタ分析を行った。
 その結果、ADHD症状とギャンブル重症度との間の加重平均の相関は、r=0.17(95%CI:0.12~0.22、p<0.001)で、有意な関連が認められた。また、この関連は年齢上昇にともなって強まった。サンプルの平均年齢がほぼ唯一の調整因子であった。
 日本の研究でも、ギャンブル障害のタイプとして発達障害などのパーソナリティ関連障害の併存がタイプⅢとして指摘されてきたが、それを裏付けるものであった。
Exploring the Relationships Between Problem Gambling and ADHD: A Meta-Analysis.
Journal of attention disorders. 2016 Feb 1; pii: 1087054715626512.
Jennifer Theule, Kylee E Hurl, Kristene Cheung, Michelle Ward, Brenna Henrikson
 ちなみに成人のADHDは、双極性障害(BD)や境界性パーソナリティ障害(BPD)との鑑別が簡単ではなく、同時に罹患している場合が少なくない。たとえば、英国・ロンドン大学のPhilip Ashersonらは4つのデータベース、DMS最新版(DMS-5)、その他至適な文献、および臨床医の経験を探索し、成人ADHDでの、BDまたはBPDの同時罹患者は20%を下回る程度であり、ADHD-BD患者では、ADHDの症状はBDがエピソード的に現れる期間に見られるとしている。また、BPDとADHDの重複する症状では衝動や情動の制御不全が含まれるそうで、ここでギャンブル障害のリスクの高まりが考えられるかもしれない。ギャンブル障害では自殺のリスクが高まることが知られているが、BPDでは現実や想像上での見捨てられ不安や自殺行為、自傷、慢性的な虚しさ、ストレスに関連したパラノイア/重篤な解離症状を死にもの狂いで回避しようとすることなどを含まれており、ギャンブル障害を考えるときBPDが背景的に存在する可能性も検討すべきかもしれない。BPDに対する弁証法的行動療法が成人ADHD患者の治療を成功に導く場合もあり、ADHDに対する薬物療法と併用する効果が期待できるそうで、ギャンブル障害に対する対応も多様に、というか、相手を見て、一律にギャンブル障害として対応しないことがだいじな場合も多々ありそうだ。
 いずれにしてもデータが不足している。
Differential diagnosis, comorbidity, and treatment of attention-deficit/hyperactivity disorder in relation to bipolar disorder or borderline personality disorder in adults.
Current medical research and opinion. 2014 May 7;
Philip Asherson, Allan H Young, Dominique Eich-Höchli, Paul Moran, Vibeke Porsdal, Walter Deberdt

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