狂気と創造性、古典的な指摘の背景に遺伝子が・・・・

 これまでも、統合失調症や双極性障害を持つ人の親族には芸術家が高い割合で現れることが示されており、創造性とこれらの精神障害の間には何か遺伝的に共通する背景があるのではないかと考えられてきました。
 Kari Stefanssonらは、この遺伝学的な背景を探るために、創造的な人物を全国的な芸術協会に属するか芸術を職業とする人と定義して研究しました。具体的には、健常もしくは統合失調症か双極性障害と診断された15万人以上を対象とした大規模な遺伝学的データから、これらの障害のリスクと関連する遺伝的変異を特定し、86,292名からなるアイスランドの別の集団における障害リスクが予測できることを示しました。
 そして同じ遺伝的変異によって、アイスランドの集団のうち精神疾患のないものがアイスランド芸術協会(俳優、舞踏家、音楽家、美術家、作家からなる)に属するかどうかも予測することができることを示しました。さらに、スウェーデンの8,893名、オランダの18,452名からなる別の集団で、その変異が創造的職業に携わっているかの予測にかかわることを示しました。
 これらの関連は、IQや教育水準、あるいは統合失調症や双極性障害を持つ人との類縁関係の近さの差異によっては説明できないそうで、ある種の精神障害に対する傾向を強める遺伝的要因が、健常者な人の創造的素質を生み出すことにかかわることが示唆されました。
Polygenic risk scores for schizophrenia and bipolar disorder predict creativity
Robert A Power, Stacy Steinberg, Gyda Bjornsdottir, Cornelius A Rietveld, Abdel Abdellaoui, Michel M Nivard, Magnus Johannesson, Tessel E Galesloot, Jouke J Hottenga, Gonneke Willemsen, David Cesarini, Daniel J Benjamin, Patrik K E Magnusson, Fredrik Ullén, Henning Tiemeier, Albert Hofman, Frank J A van Rooij, G Bragi Walters, Engilbert Sigurdsson, Thorgeir E Thorgeirsson, Andres Ingason, Agnar Helgason, Augustine Kong, Lambertus A Kiemeney, Philipp Koellinger et al.
Nature Neuroscience (2015) doi:10.1038/nn.4040 Received 01 March 2015 Accepted 11 May 2015 Published online 08 June 2015

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