依存とうつ、セロトニン

 以前、日遊協の連載↓で、遊技で満足できること、渇望感を抱かずに済むこと、強迫的な渇望を育てないことが依存対策として役に立つと指摘したことがありました。
http://www.nichiyukyo.or.jp/FileUpload/files/magazine/noupachi-10.pdf
 ニュージーランド、ビクトリア大のブラッドベリーらによれば↓、MDMA(エクスタシー)やコカイン等の薬物を初めて使用したときに、脳内でのセロトニンのレベルが高いラットは、低いラットに比べて、NMDAやコカインなどに対して依存になりにくいことを示しています。この結果は、よく指摘される「うつ」の依存との併存のメカニズムの一端、「うつ、もしくは、うつ的リスクを持つ人」→「依存」のルートを示唆するとともに、ときおり処方を見かけるSSRI、SNRIなどのセロトニンレベルを高める薬が、「うつ」のみならず「依存」の治療薬として有用である可能性を示しています。ま、抗鬱剤でOKとはなかなかいかないことも報告されていますが。
また、MDMA、コカインですら依存になりやすさがあり、すべての生き物が直線的に依存に至るわけではないことも示唆しています。まして週一以上のパチンコユーザーの9割強、540万人が依存の疑いなどという調査報告の不備、スクリーニングテストとしての不備を示すものでもあります。ギャンブル障害の危険を指摘し、国民やユーザーやホール、メーカー関係者が共有することはだいじなことですが、どういった比率でどういう人が不可逆的で進行的な依存に至っていくのか、正確に知ることこそ本当に大事です。といっても一度の調査で結果が出るものでもない、リスク調査を行って、その先の長期的な経過を追っていかないとけりがつかない、調査、対策を複合的に進めていく恒常的な機関を設置しないとダメなのですが、少なくとも正しい実態を知ろうとすることなしに、「ぱちんこ、絶対ダメ」的な対策では、パチンコ遊技を適切にコントロールできているユーザーや、射幸性を抑えるために風営法に基づく通達を出し続けてきた警察がかわいそうです。この国は営業の自由を保障しつつも、風営法下で遊技の射幸性をコントロールするということをずっとやってきたわけで、依存対策を何もしてこなかったというのは誤認、もしくは大嘘です。
Addict Biol. 2014 Sep;19(5):874-84. doi: 10.1111/adb.12069. Epub 2013 Jun 14.
Acquisition of MDMA self-administration: pharmacokinetic factors and MDMA-induced serotonin release.
Bradbury S, Bird J, Colussi-Mas J, Mueller M, Ricaurte G, Schenk S.

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