計算力と読解力には共通の遺伝的特質がある

 読解力や計算力は、社会経済的影響を生み出し、認知機能の向上は富の増加と平均余命の延びと関連していることが示されています。ウェルカムトラスト・ケースコントロールコンソーシアム(Wellcome Trust Case-Control Consortium)と行動遺伝学では著名なPlominたちのグループは、イングランドとウェールズの12歳の子どものデータ(双生児のデータと非血縁者のデータの両方を含む)を用いて、計算力と読解力に対する遺伝的要因の寄与度について調べました↓。
 その結果、一卵性双生児と二卵性双生児での成績の一致度から遺伝の影響、共有、非共有環境の影響を計算する従来からの行動遺伝学的方法では、読解力の60%強が、計算力の50%ほどが遺伝子の影響と計算され、一般人のゲノムワイド解析(*)からは、読解力の30%弱、計算力の50%が遺伝子の影響と計算されました。
 また、計算力と読解力の一致度に与える遺伝の影響も計算され、双子研究では60%強、一般人では75%程が遺伝子によって説明されることが示されました。いわゆるジェネラリスト遺伝子が存在するわけです。12歳の読解力、計算力にはジェネラリスト遺伝子、個別の遺伝影響、そして学習環境が寄与するわけです。
*ゲノムワイド解析は、ゲノム全体をほぼカバーするような、50万個以上の一塩基多型(single nucleotide polymorphism: SNP)の遺伝子型を決定し、主にSNPの頻度(対立遺伝子や遺伝子型)と、疾患やこの場合には計算力などの量的形質との関連を統計的に調べる方法→http://www.natureasia.com/ja-jp/jobs/tokushu/detail/154
Nat Commun. 2014 Jul 8;5:4204. doi: 10.1038/ncomms5204.
The correlation between reading and mathematics ability at age twelve has a substantial genetic component.
Davis OS, Band G, Pirinen M, Haworth CM, Meaburn EL, Kovas Y, Harlaar N, Docherty SJ, Hanscombe KB, Trzaskowski M, Curtis CJ, Strange A, Freeman C, Bellenguez C, Su Z, Pearson R, Vukcevic D, Langford C, Deloukas P, Hunt S, Gray E, Dronov S, Potter SC, Tashakkori-Ghanbaria A, Edkins S, Bumpstead SJ, Blackwell JM, Bramon E, Brown MA, Casas JP, Corvin A, Duncanson A, Jankowski JA, Markus HS, Mathew CG, Palmer CN, Rautanen A, Sawcer SJ, Trembath RC, Viswanathan AC, Wood NW, Barroso I, Peltonen L, Dale PS, Petrill SA, Schalkwyk LS, Craig IW, Lewis CM, Price TS; Wellcome Trust Case Control Consortium, Donnelly P, Plomin R, Spencer CC.

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