人の声を聞くことは楽しさにつながるらしい、そしてそれがコミュニケーションの基礎かもしれない

 自閉症スペクトラムでは人の声に対する感受性がしばしば低い場合があり、その特徴がコミュニケーションがうまくいかないことに深くかかわると考えられている。自閉症スペクトラムでは社会とつながりたいという意欲が低いとする仮説では、報酬系や情動系に問題があり人との会話がうまくいかないとされている。そこでこの仮説を検証するために、自閉症スペクトラムの子どもたちが人の声を聞いているとき働く脳部位と他の部位との神経接続を調べた。
 20人の自閉症スペクトラムの子どもと、19人の自閉症スペクトラムの子どもたちと年齢とIQをマッチングさせた健常な子どもについて安静時にMRIを用い、声の理解に選択的にかかわる両側の上側頭回後部と他の部位との機能的結合について調べた。
 結果、自閉症スペクトラムの子どもたちでは左の上側頭回後部とドーパミン報酬系の結合が弱かった。ドーパミン報酬系には両側の腹側被蓋、側坐核、左の島皮質、眼窩前頭前皮質、腹内側前頭前皮質が含まれた。
 また自閉症スペクトラムの子どもは右の上側頭回後部(会話での音韻形成にかかわる)と、眼窩前頭前皮質や扁桃体(情動に関連した関係学習にかかわる)の結合も弱かった。
 そして声の理解に選択的にかかわる両側の上側頭回後部と報酬系の結合が弱いほど、コミュニケーションでの困難を抱える度合いが大きかった。この結果は、自閉症スペクトラムの子どもたちにとって会話は楽しい体験ではなく、そのために言葉やソーシャルスキルの発達が遅れてしまう可能性を示している。
 またわたしたちの脳には人の声を快とする仕組みがあることも示している。
Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Jun 17. [Epub ahead of print]
Underconnectivity between voice-selective cortex and reward circuitry in children with autism.
Abrams DA, Lynch CJ, Cheng KM, Phillips J, Supekar K, Ryali S, Uddin LQ, Menon V.
Source
Departments of Psychiatry and Behavioral Sciences and Neurology and Neurological Sciences, Program in Neuroscience, and Stanford Institute for Neuro-Innovation and Translational Neurosciences, Stanford University School of Medicine, Palo Alto, CA 94304.

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