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zoom RSS 平成29年12月25日ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議幹事会申し合わせ、基本的な考え方、の問題

<<   作成日時 : 2018/01/11 17:08   >>

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平 成 2 9 年 1 2 月 2 5 日 家族申告によるアクセス制限の実施について ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議幹事会で、家族申告によるギャンブル等へのアクセス制限を推進することが申し合わされた(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gambling_addiction/kanjikai_dai4/gijisidai.html)。わたしはギャンブル等への家族申告によるアクセス制限に賛成であるが、この申し合わせで共有された「1 基本的な考え方」は誤り、もしくは、ミスリードを生み出しやすい表現が含まれているので指摘しておきたい。「1基本的な考え方」は〇三つからなるが、最初のひとつを引用する。

1 基本的な考え方
○ ギャンブル等依存症は、嘘をついて家族との関係を悪化させる、ギャンブル等に必要な資金を得るために家族の生活費を使い込み、借金を重ねる場合も多く、本人のみならず、その家族の生活に多大な支障を生じさせる精神疾患であることから、ギャンブル等へののめり込みによる被害から家族を守ることもまた社会的な要請である。

 この文言と「直近一年間でのギャンブル等依存症のうたがいは70万人(久里浜医療センター調べ)」「直近一年間でのぱちんこ関連でのギャンブル等依存症のうたがい40万人(社安研調べ)」といった報告を併記すると、40〜70万人の多くが、嘘をついて家族との関係を悪化させ、ギャンブル等に必要な資金を得るために家族の生活費を使い込み、借金を重ね、本人のみならず、その家族の生活に多大な支障を生じさせているかのようなミスリードが生じかねない。
 しかし、社安研調査では、DSM-5、9点相当 の、思考のとらわれ、嘘、行動の自己制御困難、借金のしりぬぐいを頼む、職業等の危機に瀕しているレベルの遊技者は5〜10万人と推定されている。また特に相談や治療を受けなくても自然回復する率が8割を越えており、DSM-5、9点相当が複数年続き、本人や家族の生活に多大な支障をきたしている者は1〜2万人程度と推定される。実際、ギャンブル等依存症で入院、通院しているものは500名程度である。
 つまり、「ギャンブル等依存症」にはギャンブル等に夢中になっているレベルの人たちも含まれており、以下のように理解するのが現状のデータからは正しい。

ギャンブル等依存症は、嘘をついて家族との関係を悪化させる、ギャンブル等に必要な資金を得るために家族の生活費を使い込み、借金を重ねる場合もあり(ギャンブル等依存症のうたがいの最大2割程度、複数年にわたる場合は5%程度)、本人のみならず、その家族の生活に多大な支障を生じさせることもある精神疾患であることから、ギャンブル等へののめり込みによる被害から家族を守ることもまた社会的な要請である。

 また「1 基本的な考え方」の〇のふたつめは、以下の表現になっている。
○ したがって、競技施行者・事業者は、社会に健全なサービスを提供する責務を負う者として、その事業等の実施に当たっては、ギャンブル等依存症の診断を受けているような利用者や、ギャンブル等へののめり込みによりその家族の生活に支障を生じさせるおそれがあるような利用者に対しては、利用者本人の同意の有無に関わらず、サービスの提供を拒否することが適切である。

 ここで問題になるのは「ギャンブル等依存症の診断」で、DSM-5、4点以上を単純に当てはめるような診断が行われれば、ギャンブル等が好き、夢中になっているが、客観的に見て、家族に迷惑をかけていない場合でも、家族申告によるアクセス制限が行いうることになってしまう。DSM-5の基準Aの前文に記載されている「臨床的に意味のある機能障害または苦痛を引き起こすに至る持続的かつ反復性の問題賭博行動」という表現を重視して診断を行えば問題ないが、単純に基準Aの当てはまり数で「診断」されると問題である。
 ここは、DSM-5、8,9点相当の重度以上、6,7点以上の中程度以上といった具体的表現があることが望ましい。
 こうした問題が起こるのは、「ギャンブル等依存症」をどうとらえるかがまちまちであるからである。たとえばピアサポートグループであるギャンブラーズ・アノニマス(GA)では「Compulsive gambling(強迫的ギャンブル)」を採用しており、強迫的ギャンブルを慢性的で進行的、不可逆的な病気(illness)としている。これとDSM-5、4点以上の「ギャンブル等依存症のうたがい」が混在すると、一般市民に与える印象が大きく異なってしまう。
基本的にはDSM-5基準での議論がまぎれが少なく望ましいと思う。そしてそうなると、最初の〇の表現ではミスリードになってしまうわけだ。
繰り返すが、わたしは家族申告によるアクセス制限には賛成だ。DSM-5で4点以下であっても家族との折り合いがつかないユーザーはアクセス制限してもいいとすら思う。一ユーザーとして家族と折り合いがつかないようなら、ギャンブル等を行うな、一緒にされたくない、と思う。だが、だからといって、上記のようなミスリードは許されるべきではなく、指摘した次第である。

〇の三つめは以下。
○ なお、競技施行者・事業者において、契約自由の原則に基づき、利用させることが不適切と判断する者に対して、利用者本人の同意の有無に関わらず、サービス提供に係る契約を拒絶することは自由であり、家族から申告された情報を踏まえ、のめり込みによる被害から家族を守るためにサービスの提供を拒否することは社会的な要請に応えるものである。

法務省等の判断もギャンブル等依存症の範囲をどうとらえるかで異なりうるので、明確にすべきと思う

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