「はげひげ」の脳的メモ

アクセスカウンタ

zoom RSS なんでも「依存」というのはどうかと思う、言うなら軽い風邪、ちょっと熱レベルで言おう

<<   作成日時 : 2017/10/06 11:49   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

「近年、アルコールやギャンブル、薬物だけでなく、痴漢や万引きなども治療の必要な一種の依存症=脳の病気であることが少しずつ一般に認知されつつあります」
その認識はミスリードでしょう。
最近の久里浜の報告(生涯でのギャンブル等依存症の疑いが320万人、直近一年の疑いが70万人)から推測すれば、250万人は回復しており、8割は自然回復していることになります。社会安全研究財団の調査でも同様の数字が報告され、しかも、特別な治療、相談を行ったものは数パーセントにもならず、治療の必要なく回復しています。
「治療が必要な脳の病気」という古いタイプの回復支援関係者から発せられるメッセージは、覚せい剤などの精神刺激薬、アルコールでは成り立つのかもしれませんが、行為のアディクションまで拡張してはいけないと思います。
また、ギャンブル等依存症に限って言えば、個人の遺伝子によって説明できる率(遺伝率)は50%なので、「行為」の快感にハマって日常生活に「臨床的に意味のある障害や苦痛」(これが精神障害の定義で最も重要です)が生じるには、一種の素質が必要です。実際、諸外国ではギャンブル等依存症の併存障害として、発達障害(ADHD、自閉症、学習障害など)、統合失調症、うつ、強迫性障害などがあげられ、その併存率は75%にも及びます。
つまり、衝動性が強い、こだわりがつよい、先を見通すのが苦手、コミュニケーションが苦手、奇妙、生きる上でトラブルを起こしやすい、など背景要因がある人が、普通なら、ある時期、夢中になったり、ハマったりしても、どこかではたと気が付き、生活(暮らし、仕事、他の余暇)とのバランスを取り戻していくのに、増悪していく、というのが行為のアディクションの実態です。
「やめたくてもやめられない」時期があっても、普通の人はちゃんとバランスをとって、「臨床的に意味のある障害や苦痛」が続かないように自己治癒していくということです。
そこに、「やめ続ける努力」「そのための自助グループ」は必ずしも必要ではありません。むしろこだわりがつよく、コミュニケーションが苦手なケースなどでは、有害ですらあります。

「一般的な依存症全般の起きる脳科学上の原理やメカニズムは何か」
依存症全般にかかわるメカニズム、というより、行動の開始や維持、モチベーションのメカニズムとしては、腹側被蓋、腹側線条体、島皮質、視床下核による、コストベネフィットの計算機構があります。とくに腹側線条体にドーパミン作動性の「やる気ニューロン」と「移り気ニューロン」があって、「やる気ニューロン」の活動が高く、「移り気ニューロン」の活動が抑制されているとき、一つの行動にハマります。また島皮質は不快感などとかかわることでコストを表現し、これらのバランスで行動が開始されます。また視床下核は始まった行動の維持にかかわります。
この機構は非常に速やかに変わりやすく、遺伝子の読み込みパターンの変化もよく観察されます。これらをもって依存のメカニズムだと声高におっしゃる方が時々いらっしゃいますが、これは仕事熱心、勉強に燃えている、でも起こる現象です。
軽い風邪のように、ときどきかかって、勝手に治っていくというイメージで「新型依存」を使うなら間違っていませんが、治療が必要な脳の病気、などという取り扱いをしようとするなら大間違いです。
ギャンブル等依存症で8割の自然回復率ですから、「〜依存」なんて、その回復率は限りなく100%に近いでしょう。そして回復しえない方の背景には発達障害などがあると見た方がいいわけです。
インターネットゲーム障害も自然回復率が極めて高いと予想されます。むかしゲーム脳とかネットにハマっておかしくなるといわれましたが、ほとんどの人は、ちゃんと生活の中に組み込んでいるので、依存症呼ばわりする方がどうかしています。
どれも、一過性のものなのか、反復的継続的に起こっていることなのか、「臨床的に意味のある障害や苦痛」が生じているのか、区別しないといけません。
ちなみにギャンブルと依存症では、真に「臨床的に意味のある障害や苦痛」が生じているということになると、1〜2万人程度にまで数が減ると考えられます。

「「すぐキレる」「遅刻癖」「片付けられない」など、性格や努力の問題と思われているクセも、一種の依存状態として説明できないか」
それを依存のメカニズムで説明するのが「新しい」と思い込んでいる回復支援関係者がいますが、むしろその考えは2000年ころに絶滅していて(この国をのぞいて)、いわゆる依存、とりわけ行為のアディクションは一時期ハマっても勝手に回復していくのが普通。そうならない人が問題で、その背景には、気質、性格、遺伝要因がある、というのが今の見方です。

「ある対象に依存しているかどうかを自己診断できる方法はあるか、どうすれば依存状態から抜け出せるか」
リスクレベルなら、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87
のDSM−5のギャンブルを他の名称に入れ替えれば、リスクチェックにはなります。
ただしそこにも記されているように、ここでの4点は軽度の疑いで、軽度とはちょっと夢中になっているレベルが含まれますから、「治療が必要な病気」のチェックというのなら、9点、しかもそれが繰り返されている、ということになりますかね。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
篠原教授の 楽ラク脳トレーニング DVD全12巻
なんでも「依存」というのはどうかと思う、言うなら軽い風邪、ちょっと熱レベルで言おう 「はげひげ」の脳的メモ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる