「はげひげ」の脳的メモ

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zoom RSS 薬物で脳が〜となるのか、脳が〜だと物質使用障害に脆弱性を持つのか。後者ルートを示したパネル調査。

<<   作成日時 : 2017/03/02 01:32   >>

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 このブログはギャンブリング障害に触れることが多いので、このような冒頭にします。
 Reuterらが指摘したギャンブリング障害での中脳辺縁報酬システムの活動低下は、単にギャンブリングの結果ではなく、そもそもそのような脳活動の低下を持つ者がギャンブリング障害になりやすいということを示すものでもある可能性が示された。
 ↓は物質使用障害、嗜癖性障害との関連がしばしば指摘されている新奇探索傾向を示す男女200人ほどを14歳から16歳まで追跡調査したパネル調査。14〜16歳では物質使用の問題がない被験者72人と、14歳では問題がなかったが16歳で物質使用の問題が生じていた被験者72名の比較。
 14歳時点で、TCIによる新規探索傾向のほか、ビッグ5(性格テスト)、ケンブリッジギャンブリング課題、報酬の時間割引率を調べるMonetary-Choice Questionnaire、Development and Well-Being Assessment、Monetary Incentive Delay Task(最初に、報酬なし、報酬2ポイント、報酬10ポイントに相当する図形を見せ、少し時間をおいて、図形を提示、提示時間中にボタンを押せればポイントゲット、早すぎたり、図形が消えてからではポイントが得られない:この課題時にMRIスキャン)を実施。これらが16歳時点での物質使用問題の発生を予測し得るかを検討。
 結果、誠実さ(誠実でないと物質使用も問題を抱えやすい)、報酬の時間割引の大きさ(報酬をもらえる時期が遅れるとその報酬の価値が小さくなると感じる度合いが大きいと≒即時報酬を好む度合いが大きいと、物質使用の問題を抱えやすい)が物質使用問題とかかわることが示された。また、Monetary Incentive Delay Taskで、小さい報酬と大きい報酬での腹側線条体、中脳、背外側前頭前野の活動差が、小さいと(この差にモチベーションを感じないと)物質問題を抱えやすいことも示され、誠実さ、時間割引以上にこの脳活動が影響することが回帰モデルで明らかになった。
 日本では、物質使用障害の脳は〜、ギャンブリング障害の脳は〜、といった言説が、物質使用障害によって脳が〜、ギャンブリングによって脳が〜といった文脈で語られるが、この研究の示すように、もともとの脳の差が物質使用障害やギャンブリング障害への脆弱性を示すという見方もあることを忘れてはならない。また、報酬系の活動低下は物質使用、ギャンブリングでなくとも、同じことを繰り返すとよく生じることであることも忘れてはならない。
Nat Commun. 2017 Feb 21;8:14140. doi: 10.1038/ncomms14140.
Blunted ventral striatal responses to anticipated rewards foreshadow problematic drug use in novelty-seeking adolescents.
Büchel C, Peters J, Banaschewski T, Bokde AL, Bromberg U, Conrod PJ, Flor H, Papadopoulos D, Garavan H, Gowland P, Heinz A, Walter H, Ittermann B, Mann K, Martinot JL, Paillère-Martinot ML, Nees F, Paus T, Pausova Z, Poustka L, Rietschel M, Robbins TW, Smolka MN, Gallinat J, Schumann G, Knutson B; IMAGEN consortium.
http://www.nature.com/articles/ncomms14140 オープンアクセス論文です

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